クシュシュトフ・ヤブウオンスキー
友人の誘いのおかげで思いがけず突然に
クシュシュトフ・ヤブオオンスキーの
ソロ・ピアノを聴きました。
ベートーベンに圧倒され、
ショパン、
音楽音痴の私がはじめてショパンとは
これなのだと知りました。
ポーランドの出身、1965年生まれ。
日本の人には残念ながら
肉体的体力からも
テクニック以前、ピアノは比較になりません。
辛い歴史を乗り越えた血の中から
生まれる圧倒的な明るさが爽やか。
日本人は今まで歴史の甘やかされてきました。
でも日本も実は今、存亡の瀬戸際にいるとは
日本の人もうすうすは気づいているのでしょうか。
月刊「ぺるそーな」7月号をお読みください。
久保紘之・平成太平記より
「中曽根康弘の時の時は今からだ」
中曽根康弘氏は五月二十七日、満九十歳を迎え、句集を出しました。
その中の最も誕生日に近い句の一つにこうありました。
『恩讐を忘れあっぱれ鯉のぼり』
これを久保紘之の解読、
これは年を経て、「恩讐が消えた」という意味ではなく
「しばし忘れて」鯉のぼりに見入る、という意味でしょう。
つくづく、凄い人だと思うな。
どこか血刀を掲げてぬっと突っ立てる感じというか、
これが卒寿を迎えた老人の句なのか、と。
その前に詠んだ句には『旅のはて卒寿の坂のスミレかな』とあります。これでうっかり中曽根も枯淡の境地に入ったか、
などと早とちりしたら、大間違い。
『長旅も卒寿も新茶も夢の中』などと詠みながら、
彼は李明博が韓国の新しい大統領に就任するや、
機を逸せず、訪韓して、差しで会談、
さらに胡錦涛の来日前には訪中して、直接、膝を交えてくる。
なぜ? それは隣国のこの二人のトップリーダーの交代を、
中曽根はデットロックに陥った日本のアジア外交『親日』派転換の最大の好機と思ったからです。・・・・
中曽根の言動に垣間見る蓄積された知恵や
すぐれた歴史感覚をみれば、
ああこの人は二十年前に総理を退いたあとも
「現役の総理」としての緊張感をずっと持続してきているのではないか、
言い換えれば、いつでも非常事態に備え
「現行の総理としてスタンバイ」している人、
しかも現役の緊張感を持続しているから、
この人の政治理念や政策は二十年前にくらべ、
いまも状況の展開にそって確実に進歩、発展、充実しつつあるといえるのです。・・・・
(中曽根康弘も大変な教養人、
しかしそれは青白き秀才の教養ではない)
・・・「太平記」に出てくる佐々木道誉なんて
大変な教養人だった。
太平記の世界が面白いのは、
最高リーダーであった足利尊氏も後醍醐天皇もまた、
巨大な婆娑羅であったことなのです。・・・・・