祈り | 旧ブログ

祈り



目を瞑って突然、小さな自分が不思議な御手に
頭からつかまれて、気づくと
今ここにいると感じる瞬間があります。

深夜でしたが、蝋燭をつけて
いつもの伽羅香を焚いて
手を合わせました。

何を祈るか、ただありがとうございます、
としか。不思議な越し方を振り返って。

もう抗うことも意味がないと思うこのごろです。、
ただ黙って自分の与えられた命を行くだけとしか
思いようがありません。

突然手を合わせたくなります。
一言にいえばただ
「ありがとうございます」としか言葉はありません。

深夜、ふと「ぺるそーな」の松永太郎さんのコラムを読みました。
こういうときって、不思議に心にピタリとはまる
言葉に出会うのです。天の声を感じます。

辻占と同じ、昔からの言い伝えです。
ふとその人が思ったとき引く占いの言葉こそ
天からの伝言だそうです。

以下に松永太郎さんの今月のコラムを
ご紹介しておきます。

統合哲学   日本人は「無」宗教か

「前回、ご紹介したエックハルト・トーレは、
もちろん、どのような宗教にも、
宗派にも属していないし、
また自分で教団のようなものを組織しているわけではない。
 
アメリカのTV番組で、
このような本来の「精神性」(スピリチュアリティ)の教師たち
が登場するのを見ると、
つくづく隔世の感に堪えないのである。

日本人は、戦後、フォード(車)と道元(禅)を交換した、といわれている。

げんにトーレのような人が出てくるのを見ると、
それは真実だったと思う。

真のチベット仏教の指導者たちは、
アメリカやヨーロッパに亡命して教えをひろめたが、
日本では怪しげなインチキ・カルト集団が
チベット仏教を僭称した。

おそらく日本の知識人といわれる人は、
アメリカのTVに出演した、というだけで、
トーレなど鼻も引っ掛けないだろう。

私の見るところ、彼らは完全に精神性を見る目(観想の目)を失っている。
 
もともと今、トーレが教えているような教えは、
日本やインド、チベットから西欧に伝えられたものである。

日本の優れた禅の老師、鈴木俊隆は、
アメリカ人のなかに禅の「初心」を見出し、
一生、そこで禅を指導した。

そのためアメリカで禅が広まったのだが、
彼が指導したり、指し示したりしたことと、
トーレが話していることは同じである。
 
私が言いたいのは、もはや息が絶えたように
見える日本の文化的な伝統のなかに、
精神性は生きている、ということである。

それは「無」のなかに見出される。
 
日本人はなぜ、桜が好きなのか。
なぜ、その如月の望月のころ、
死にたいと願うのか。

なぜ、無欲ということを好んだのか。
なぜ無心ということが、非常に大事なのだ、
と知っているのか。

無我とは、我を張ることよりもはるか尊いと知っていたのか。
 
宗教学者たちは、これら論理的な平面のうえで、
仏教の「空」と結び付けるかもしれない。

しかし文化というのは、そうした学問的(論理的)な
文脈で伝えられるものではない。

むしろ仏教の「空」ということの真の意味を
体得した人々が多数日本にいたからである。

仏教だけではない。神道の中にも、
むろん、この「無」をありありと現前させるものがあった。

したがって今も神社に行けば、
人は、なにごとのおわしますかはしらねども、
すなわち現象として、形として、色として、
なんら現れてはいないけれども、

その静寂、その清浄さ、その空気に、
「無」という現前(presence)を感じて、頭を下げるのである。
 
空(emptiness)、間(space)、無心(no-mind)、
このようなものが日本人の精神性、宗教性の核心にある。

つまり日本人は、「無」宗教だったのである。
このような宗教性は、近代西欧の宗教性や哲学とはだいぶ、異なっている。

しかしそうした宗教性や哲学が完全に行き詰まった今、
日本人は自らの尊い精神性を忘れ去ろうとしているのである。」

以上、現実的な話に戻しますと、
「そのまま」先生や先輩の言うことを
まずやってみる、つまり素直にマネすることが
できる人が、よく力をつけていきます。

人を採用する条件をただ一つといわれたら、
そのまま聞くことのできる「素直」です。

一つといわず「素直」だけで十分。
人はそれさえあればどの分野でものびています。

写真は芸大の油絵科二年生になった佐々木美穂子ちゃん
お姉さんは芸大の声楽科卒業、

あしたは美穂子ちゃんの入学祝いに代えて
私が頼んだ紅葉の絵が展示されるというので
芸大まで観に行きます。後ろの絵も彼女の作。

お父さんのご贔屓の芸者さんを画いたのだそうです。
ピカソもそうだったように、まず徹底的な写実が
創作の始まりだと思います。

この芸者さんの心の内までよく描いています。
彼女はこの後、外国人と結婚引退したそうです。

この姉妹の最大の長所は「素直」
うるさいお父さん・ベジさんのいうことをよく聞くといつも感心しています。

「素直」とは自分の中に自分でも気づかない
しっかりとした自分の自信があるから「素直」になれると
私はいつも見ています。

すねたりむくれたりする人は
まっすぐと幹が太くならない。