ドバイの桃ちゃん
ドバイからの便りです。
私が大学生のころにはじめた塾を
引き継いでくれた大学の後輩の、その娘。
彼はもう花嫁の父になってしまったのだ。
この人の奥さんになった一恵さんが
まだ浦和第一高等女学校、別名「一女」の
三年生のときに彼より先に私は会ったのです。
うつむき加減でひたむき、
古風ないずまいに人目惚れ、
そのお母さんもまた昔ながらのお母さん、
私の暴れ者の息子が高校受験のとき
頼み込んで一ヶ月預かっていただきました。
その家庭の温かさに息子は
すっかりなごみ勉強しました。
息子はいまだに感謝、終生のいい思い出です。
そのお母さんも今はない、
その孫娘が今度は広い世界に飛躍する、
いいなあと嬉しくなります。
今年の年賀状、明治神宮で高島田のお嫁さんの
となりに大きな男の人が威儀を正して、
羽織袴で緊張した写真が送ってきました。
オランダのエンジニアだそうです。
ドバイの港づくりをしたのですとその写真。
私の送ったコブラン織りのバックをちゃんと持って、
こんなところがお母さんゆずりです。
ちなみにこのコブラン織りのバックは蓮井幹子さんのデザイン
(月刊「ぺるそーな」6月号・国づくりのデザイン)
ドバイは過去から未来を開く都市。
私はオリエント・クラブでイスラムの勉強を
ちょっとしていなかったら、ドバイの
超モダンに人のぬくもりを感じられなくて、
不安だったかもしれません。
