スルタンの美女・オダリスク | 旧ブログ

スルタンの美女・オダリスク

2008年3月25日

オダリスクの存在の意味

私はアネモネの花が何故か好きです。
けだるい昼下がりのデカダンは、
永遠の時を思わせるものでもあるのでしょう。

このマティスの絵を新聞で見つけて
見ほれました。

何故だろうと思ってよくみれば、
まずアネモネ、猫のような女性の顔。
そしてこのやわらかい色にあるけだるさです。

画題を読みました。
オダリスク、トルコのスルタン・皇帝のハーレムの
美女です。肩から足の曲線がなんともいえない。

彼女たちは何もしないですごす時間のうちに
自分の命を終えたでしょう。

その命は意味がなかったかといえば、
その一瞬の存在そのものに、
絢爛たるトルコの繁栄と
文化の香りを永遠に残したのだといえます。

こうしてマティスが感動を残しています。

すべての命には時間ではない存在の価値があると思いました。

佐倉市の川村記念美術館で5月7日まで、
私も行きたいと思いました。

日本ってすごい国です。
これほどの展覧会がちゃんと一地方の美術館で
開催されるのです。

日本の価値ってしっとりとした風土と
圧倒的な文化の厚みだよ、と
シンガポールにいる息子がいいました。

たしかに中国は広いけれど、
いつも王朝は殺しあってきたから
日本のような雅びな文化は残らない。

日本の将来のあり方を示唆するものだと思いました。