死刑は残虐といえますか? いえませんか?
裁判員制度が作られて、法律の素人も死刑について頭を悩ませなければならないようになりましたから、僕らにとっても他人事ではありません。
最高裁の考え方は以下のとおりです。
死刑の執行方法が残虐なのは憲法違反だが(憲法第36条)、現在の死刑制度そのものは残虐とはいえない。
火あぶり、はりつけ、さらし首、釜ゆでの刑のごときが残虐な執行方法である。
(昭和23年月12日最高最大法廷判決。尊属殺殺人死体遺棄被告事件)
死刑制度に賛成反対の人それぞれいるわけですから、
裁判員裁判において裁判官と裁判員の間でどんな評議、議論が交わされているのか実に興味深いところです。
今のところ、
裁判員裁判は厳罰化傾向、死刑を認める傾向で、
裁判官はそれに歯止めをかける傾向です。下の事例では、被害者が一人の強盗殺人で計画性がない場合は、死刑は選択されない傾向というのがその理由。
裁判員「量刑関与」問題の扱い
村瀬均裁判長は「被害者が一人の強盗殺人で計画性も認められず、死刑の選択がやむを得ないとはいえない」と、裁判員裁判だった一審・千葉地裁の死刑判決を破棄し、無期懲役を言い渡した。
裁判員裁判の死刑判決が破棄されるのは二例目。村瀬裁判長は今年六月、一人殺害のケースで裁判員裁判の死刑判決を初めて破棄した。控訴審が裁判員裁判の厳罰化傾向に、歯止めをかける方向性が顕著になった。
村瀬裁判長は「先例をみると、被害者が一人の強盗殺人で計画性がない場合は、死刑は選択されない傾向だ」とし「荻野さん殺害を除けば、人の生命を奪って自己の利欲目的を達成しようとした犯行ではない。強盗致傷や強盗強姦(ごうかん)の前科にも、人の生命を奪おうとまでした事件はない」と述べた。
裁判員裁判から外された「暴力団銃撃事件」 。ただし、簡単に「除外」が認められるわけではない