いろいろと本を読んできた。


中でも私が熱い気持ちで接した作家は、一人しかいないのかもしれない。鷺沢萠(さぎさわめぐむ)さんがそうで、彼女は既に他界していて、まぁ自殺している。


彼女の訃報を新聞記事で知った。記事には「まるで犬のように死んでいた」と記述され、なんとも複雑な気持ちになった。


彼女は何度か芥川賞候補になった。国語の教科書にも作品は掲載されている。韓国の血が彼女には流れていたようで、そのことにより、彼女は衝撃を受けたらしい。


無数の作家がいる中で、個人的に私が本当に愛した作家は、鷺沢萠さんだけなのかもしれない。彼女の作風は、読者のそばにいるという具合だった。