純真な女は、滅多にいない。


皆無に近いからか、いたとしても、亡霊のように佇んでる。


決まって、彼女は憂鬱で、ひそかに苦しんでいる。


危うく精神障害になりかかった人なら、なんとなく分かるかもしれない。不安定な生理、ノドの渇き。


「純真だなんて、可哀想なことじゃありませんか」


小説家フローベールはそう綴る。


私自身、精神障害で、健康な女性に対する憧れは確かにあるけど、なぜかどうしても精神障害の女たちが気掛かり。


健康…眩しくって仕方ない。


それでも、月の灯りの縁にあるあのぼんやりした翳が気になる。ひっそり泣いてる心病んだ女たち。


純真にも程があるけど、心病んだ女たちは、そんな程に気づけないくらい、純真さの純度が高い。


「死にたい」


彼女たちは言う。


で、未遂をしたりもする。


安定剤を大量に飲んだりする。


基本的に、彼女たちは《典型的な良い子》で、感じたり考えたりを繰り返す。次第にそれもグルグル思考になっちゃうけれど。


すっぴんでいることが普通の彼女たち。


気取りなく、本来は気さくで、真面目すぎるのがちょっと難点。彼氏もいないケースが殆んど。掌に、結婚指輪はない。


結婚したいんだけど、結婚できない彼女たち。症状はあるし、仕事もできず、自信がない。だから結婚には踏み込めない。花嫁としては、ピカイチなのに、そのことに気づけない。とにかく、自信がない。


妖精みたいに生きればいいのに、と、私なんかは思う。


私の周りの身近な女友達はみんな障害者。誰もが悩んで苦しんでる。


夢をみすぎた女たち。


現実が苦手で、まだ夢から醒めず、殻に閉じこもって、泣いている。


可愛らしい女たち。


私たち、これからどうすればいいんだろう?