メディアによる影響だと思う。


東京がいつも脚光を浴びる。


歪んだ東京がテレビ画面に映し出される。


実際の東京は、もっと小さい。

ここには職人が星の数ほどいる。

社会学者は労働者と呼ぶ。


職人…永六輔が唯一書きたいと望んだのが『職人』



このマンガには職人がさまざま出てくる。


寅さんなら「労働者諸君」と小馬鹿にする。


江戸の町、匂いたつような江戸弁、それは共通語ではないし、標準語でもない。


高校時代、私は平然と江戸弁をつかった。それが当たり前だったから。


今じゃ江戸弁なんて聞く機会も話す機会もなくなった。私も日々、共通語で話す。そして私は共通語に関心がない。


津軽弁の人や薩摩弁の人々には江戸弁がなんだかコワいかもしれない。喧嘩でも売られた気持ちになると思う。


江戸弁の時代は終わった。私が江戸弁を受け継ぐ最後の世代となる。一抹の寂寥は否めない。