芸術好きな私にとっての専らの関心は、文学が第一で、ブログにも興味はある。
ブログよりも、できればエッセイのほうが私にとっては好き。
双方が混在するものでもいい。
とにかく書くことが私は好きで、精神疾患の諸症状について読むこともあるけど、率先して自ら書くのは気が引ける。
楽しい話題に触れてみたいと思うのが人情で、苦悩を披瀝する気持ちはあまりない。
さて東京、下町に暮らして長きに亘る。
都心のビルに住んだことも一度ある、でも馴染めずまた下町に舞い戻った。
ここ下町も、東京スカイツリーが建ち、以来タワマンが林立する。
テレビなどで東京スカイツリーを都心とする報道あれど、私は下町だと思っている。
川のあちら台東区の浅草よりも、ここ墨田区のほうが、マンションの家賃は高いと聞いた。
スカイツリーの影響だと思う。
アサヒビールやライオンの本社がここ墨田区にあって、カネボウやセイコーの発祥地でもある。
これら大企業のことを鑑みれば、台東区よりも墨田区が優っているのかもしれない。
それにしても互いに姉妹区なので、諍いや摩擦はない。
同じ下町に変わりはないから。
下町と聞いて地方の人が思い浮かべるのは、芸妓さんや風俗嬢なのかもしれない。浅草の外れには柳橋があり、そこには芸妓さんたちがたくさん。ドラマにもなった『御宿かわせみ』の舞台でもある柳橋。柳橋芸者さんを舟に乗せ江東区の木場へ出かけるのが風情あり粋とされる。まぁ道楽なんだけど、そういうのがあってもいい。私の住む界隈はかつて娼婦さんたちが数千人も暮らす艶っぽいところで、今でもその名残があり、粋なオネエサンがIQOS片手街角に佇んでいる。永井荷風の『濹東綺譚』にその詳細が書かれている。荷風は女遊びがこうじて、いつも性病に悩んだという。ところで、舞妓さんはいないのですよ。あれは京都だから。
保育園、小学校と、男の子だった私はこのあたりをすばしこく駆け抜けていた。子どもの目にも、粋な艶っぽいオネエサンたちは美しく見えた。憧れて、ついぼんやり見つめていた。大した童貞様だったワケです。彼女たちが熱心に化粧する様子を窓外からうっとり眺め、何やら妄想を逞しくしていたから、早熟。男の子に一から教えるオネエサンはちゃんといるから不思議です。
隅田川…大川と江戸時代には呼ばれたこの川で、無邪気に私は蠢いている。いつか朽ち果てるまで、たぶんずーっと。