バナナン☆バナミン 最終話
バナナン☆バナミン 最終話 ~さよなら、バナナタウン~
森へ行くと、ポリフェはバナナタワーの上から手を振って出迎えました。
「新・バナナムーンができたよ!」
三日月型の新装置はぴかぴかと輝いています。
みんなが塔の上まで上ると、ポリフェはすうっと息を吸い込み、まだ暗い空に向って叫びました。
「バナナナ・バナナーン」
すると空は明るくなり、バナナムーンに繋がった装置から、籠に一杯バナナが積み上がりました。
「街を朝にして、余った分をバナナにできるようにしたんだ」
そう言って、ポリフェは籠をオイゲに渡しました。
「これからは、オイゲがこれをセロトンのところに運んだらどうかな」
「お兄様……」
「それは助かるなあ。オイゲ、お願いしてもいい?」
セロトンに言われて、オイゲはぶんぶんと首を縦に振りました。
「……バナミンもよ。バナナハンターなんだから」
オイゲはバナミンにつっけんどんに言いました。バナミンは笑って答えます。
「私、また旅に出ようと思うんだ。だから、オイゲが三代目バナナハンターになって!」
その光景を見ながらにこにこしているポリフェに、バナナンは声をかけました。
「さっきのは何ナン」
「ああ、バナナナ・バナナーン? あの言葉で装置が起動するようにしたんだ。またバナナキャットがしたくなったらいつでも復帰できるからね」
「……もう、めんどい仕事は御免ナン」
ポリフェは、バナナンにだけ聞こえるように言いました。
「でも僕、仕事ができてうれしいんだ。ずっと引きこもって、誰の役に立つのかもわからない装置を作ってたから…… だから、バナナン、ありがとう」
「……まあ、戻ってきたら、さぼりたいときくらいは代わってやるナン」
バナナンはそう言うと、そっぽを向いてのびをしました。
数日後、森の出口でバナミンとバナナンは振り返りました。
バナナタワーの上から、ノール兄妹とセロトンが手を振っています。その周りを巨大な魚が、腹に『そのうち戻られたし!』と点滅させながら泳いでいます。
手を振り返すバナミンに、バナナンは言いました。
「おまえ、本当に一緒に来るナン?」
「うん。だって下僕だもんね。付き従っていかなくちゃ!」
「……本気ナン?」
バナナンが胡散臭さげに見上げると、バナミンは笑って言いました。
「バナナンが魔法教えてくれなくたって、魔法使いを探して弟子入りすればいいことだもんね。それまでは世界の不思議をハントする、不思議ハンターとして旅するの!」
「……なんだかいろいろめんどくさくなってきたナン」
「じゃああとは私にまかせて、不思議で魔法使いのいそうなとこに手当たりしだい行きますか!」
「……ナン」
こうして、バナミンとバナナンは、バナナタウンから旅立ったのでした。
☆おわり☆
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◆作者紹介◆
二月二二子
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