バナナン☆バナミン 第二話
バナナン☆バナミン 第二話 ~ムーン・バナナ・ハント~
バナナをたいらげたバナミンは、さっきまで動けなかったのが嘘のように、元気に起き上がりました。
「おいしかったー助かったよ、ありがとう、えっと……バナナン」
「な・ら・ば、とっととバナナハントしてくるナン」
「えっ」
「降ってくるバナナを捕れるだけ捕ってくるナン。ち・な・み・に、落ちる前にハントしないと消えるナン」
「ええ!? 何それ」
バナミンはとりあえず近くに降りてきたバナナを捕えました。次々降ってくるバナナは、地面に落ちると吸い込まれるように消えていきます。
「これって普通のバナナじゃないの!?」
バナミンの手のなかで、バナナは淡く黄色く光っています。
「バナナムーンの魔力で作った魔法のバナナ、ムーンバナナナン」
「バナナムーン?」
「魔法の三日月、バナナムーンナン」
バナナキャットは誇らしげに言いました。
「そ・し・て、バナナムーンの魔法を使える唯一の猫が! このバナナキャットナン」
そう言われてバナミンはまじまじと猫を見ました。夜のように黒い顔に、黄色い瞳がバナナムーンのように光っています
「……あなた、やっぱり森の魔物なの?」
おそるおそる聞くバナミンを、バナナンは満足げに見上げました。
「バナナンの怖さがわかったナン? ならばそのバナナの皮を剥いてよこすナン」
「……バナナ、食べるの?」
「……バナナキャットがバナナを食べなくて何を食べるナン」
「人間、とか」
バナナンはあきれた目を向けました。バナミンからバナナを奪い取り、器用に爪で皮を剥いて食べ始めます。
「バナナンはこうやってバナナムーンの魔力を補給するナン。他に食べ物はいらないナン。まあ、たまに? おやつくらいは食べるナン」
「じゃあ、迷いの森には魔物がいて、入った人間を食べちゃうから誰も戻ってこないっていう噂は……?」
「そんなの知らんナン。第一、迷いの森って何ナン。ここはバナナタウンの外れの森ナン」
「バナナタウン……? バナナ村じゃなくて?」 バナミンは考え込みました。
(迷いの森の噂……入ったら二度と出て来られないとか、魔法使いや魔物がいるとか、いろいろあるけど、バナナタウンなんて初めて聞いた…… そこに迷いの森の秘密があるのかもしれない)
「よし! バナナン、私をバナナタウンに連れてって」
「……もとからそのつもりナン。おまえ、バナナンの下僕になったのを忘れたナン?」
「あ」
「さあ、きりきりバナナハントするナン!」
こうしてバナナを山ほど抱えたバナミンは、バナナキャットに連れられてバナナタウンを目指すのでした。
…
☆第三話へ続く☆
゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆
◆作者紹介◆
二月二二子(にがつににこ)
お話作りで食べていくのが夢☆ ゆるーく朝バナナ中。
お気軽に感想コメント入れていただけたら幸いです
朝バナナダイエットオフィシャルサイト