116A9 骨壊死のリスクファクターでないのは
a 飲酒
b 減圧症
c 放射線照射
d 有機リン剤(×)
e 副腎皮質ステロイド
(解説)
珍しい問題ですね
a 飲酒
特発性大腿骨頭壊死はステロイド関連、アルコール関連が多いとされます。そういえばもう亡くなったあの国民的女性歌手もこの疾患でしたが原因は多量の飲酒とされていました。
b 減圧症
115A14で「減圧症の慢性期合併症」として骨壊死が出題されています。
c 放射線照射
頭頚部癌の放射線治療では顎骨壊死が問題となっています
d 有機リン剤
19~20 世紀初頭に黄リンマッチの工場で職業病として顎骨壊死が多発していたそうです。あの頃の労働者は本当に劣悪な環境で働いていました。今は黄リンは製造禁止。有機リン剤は別なリンの化合物で急性薬物中毒(農薬による自殺企図)が110B59・111A56で出題されています。チェックポイントは症状が「縮瞳・分泌物の亢進」、血液検査が「コリンエステラーゼ」、治療が「アトロピン」の三つですね
e 副腎皮質ステロイド(前述)
※骨粗鬆症の治療薬のビスホスホネートの合併症として「顎骨壊死」がありますが、実際には極めて稀なのに歯科医の先生はこの薬が処方されていると抜歯などの治療を拒否することがあり。整形外科の先生ともめることがあります。国試には出ないかもしれませんが臨床的には大事なので覚えておきましょう。