山口県光市母子殺害事件、死刑確定に思う | Field of Dreams

山口県光市母子殺害事件、死刑確定に思う

学生時代、「衝動殺人 息子よ」(79年松竹・木下惠​介監督)を名画座で見た。遺族は死ぬまで苦しむことを思い知らされた。
 最高裁記録上、最も若い犯行時年齢での死刑確定となっただけに、法曹も悩んだと思うが(死刑判決に反対意見が付いたのは極めて異例)13年は長すぎた。救いは遺された御主人が立派な方だったこと。「全国犯罪被害者の会」の幹事として犯罪被害者等基本法の制定、被害者参加制度の導入などを実現した。09年に再婚したとのこと、どうか平穏な人生を過ごされることを祈って止みません。
 99年4月の光市母子殺害事件の後、01年4月に三軒茶屋駅のホームで、銀行員の男性が18歳の少年2人に殴り殺される事件が起きた。若者が「キレやすい」と言われるようになった。
 01年5月、横浜から西武ドームにプロ野球を見に来た、女性連れの男性が帰りの電車で「もう少し詰めてもらえませんか」と言っただけで、24歳の男2人に「おれたちに因縁をつけた」とプロレス技ラリアットで首を殴打され、後頭部をホームのコンクリートで打って死亡する事件が起きた。死亡した男性は私の家内の弟の親友でした(連れの女性は婚約者でした)。犯人は自首したが、事件後1年以上苦しんだ義弟を見ているだけに、ご遺族の無念は如何ばかりか。。。
 02年2月、東京地裁で三軒茶屋駅傷害致死事件の2人の少年に実刑判決が下された。裁判長が判決文を読み上げた後「唐突だが、君たちはさだまさしの『償い』という歌を聴いたことがあるだろうか?歌詞だけでも読めば、君たちの反省の言葉がなぜ心を打たないのかわかるだろう」と被告に話しかけた。説諭でポップスの歌詞が引用されたのは裁判史上初の出来事だった。
 被害者から『あなたを赦す』という言葉をもらうまで罪は償われないと思う。(国家による戦争犯罪についても同様と思っているが別の機会に)。神になり得ぬ人間は、『赦す』境地にはなかなか到らないから、社会正義として死刑制度があるのだ。犯罪者が確定していて、無期懲役か死刑かという量刑の問題と、死刑廃止論者がいう「冤罪の可能性」は別の問題だと思う。
 さて、10数年後の現在の私は。。。
込み合う電車内で押されて、狭い中スマホを見るスペースを確保している女性を押してしまい、キッと睨まれてドキッとする小心者のオッサンですショック!