日本でも公開されたアカデミー受賞作「オッペンハイマー」を

Amazon(英国)プライムでレンタル鑑賞しました。

映画館鑑賞でもなくHDですらないSD(価格£3.49 約670円)

あくまでも、そんな低レベル鑑賞による感想です。

ストーリーに関するという意味での「ネタバレ」は一切ありません。

けれども、これから観に行く方に、是非

お伝えしたい事があり久しぶりにブログります。

それは…

非常に、くだらない事なんですが…

この映画、思い切りベッドシーンが出て来ます。

もう今季連ドラ傑作「不適切にもほどがある」の

チョメおっぱい連呼や

やはり今年の大河ドラマ傑作「光る君へ」の

日曜夜8時台NHK茶の間視聴ではギリな

親密シーンの様な

牧歌的チョメ描写ではなく

なんならベッドでさえないガッツリチョメ(笑)が

数回、出て来ます。

よって

そんなシーンを一緒に観ても気まずくならない人と

或いは1人で観に行かれた方が安全です(笑)(笑)。

ただ、全編3時間と長く、最後の10分は特に

震撼するシーンや言葉が待っているので

観終わった頃には生々しい裸身シーンは

頭から抜けているとは思います。

そして

そんな親密シーンからも伺える様に

この映画は、原爆について描いた…というより

あくまでもロバート・オッペンハイマー

(Julius Robert Oppenheimer)個人、

天才的な科学者(語学も天才的)が

第二次世界大戦前〜後までの時代を

共産主義思想に好意的なユダヤ系アメリカ人として

戦後米国の赤狩りで公職追放されたりしながら

ヨーロッパとアメリカで生きた様を描いた映画です。

もちろん

反戦メッセージも強い映画でもあるのですが…

たまたま発明したのが核兵器というか…

物理学と武器の交わる所が原爆だった…くらいの

位置付けなのです。

オッピーと途中から呼ばれる(笑)主人公や

時代の背景について下調べをしてから観る事を

強くおすすめします。

私は同じくクリストファー・ノーラン(Christopher Nolan)

監督作品で同時代を描いた戦争映画「ダンケルク Dunkirk 」が好きなのですが

「オッペンハイマー」からロバート・ダウニー・Jrの登場シーン全てと

親密シーンを抜き取ったら、良い具合に2時間以内に収まり、

同時代の天才的数学者アラン・チューリング(Alan Turing )と戦争そして戦後を描いた

「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密(The Imitation Game)」と

「ダンケルク」を両方同時に楽しめます的な作品になったと思います。

↑名作「イミテーション・ゲーム」↓

 

第二次世界大戦の英兵救出作戦「ダンケルク」↓

 

「ダンケルク」にも登場の御二方↓ノーラン組?

 

この「オッペンハイマー」で

日本は無視されている訳ではありませんが

とにかく、主題では全く無く

あくまでも

セリフにもある様に科学者オッペンハイマーが

プロメテウスPrometheus となり

火(武器)を世界に与えてしまった経過と

その結果である被爆地の惨状に苦悩し

1960年には来日もし

政治的に睨まれながら水爆反対活動を続けて行く

その過程が主題なのです。

また、この第一次世界大戦前から戦後を生きた

ホロコーストの犠牲にはならなかったユダヤ人達を描いた映画でもあります。


俳優面では

96回アカデミー賞男優賞を獲ったキリアン・マーフィー(Cillian Murphy)は、

あまりユダヤ人ぽくは見えないものの素晴らしかったですが

この映画から助演男優賞が出るなら

ロバート・ダウニー・Jrよりは、むしろ

マット・デイモンMatt Damonじゃ無いか?とも感じました。

他には

訛りの強いハンガリー生まれの物理学者

エドワード・テラー( Edward Telle r)を演じた

ベニー・サフディ( Benny Safdie )が

特に強く印象に残りました。

そして

アインシュタイン役が喜劇も上手い英国名優

トム・コンティ( Tom Conti )だったのには

ちょっと(和みつつ)笑いました。

 

それにしても

アメリカって、ほんっとに広いんだなぁ…と

改めて痛感する映画でもありました…。

アメリカとロシア

巨大な国土を持つ国だからこその武器

それが背筋を凍らせます。

 

くだらない感想で失礼致しましたが

ぜひ、ぜひ

映画館で…

3時間、心の準備の上、ご鑑賞ください!

 

(実際も、こんなスイッチだったのか…??)



【追記】

 「オッペンハイマー」鑑賞後

ずっと考えていたのですが…

ノーラン監督にとって

日本に原爆が落とされた戦争は

「太平洋戦争」ではなく

「第二次世界大戦」なのだと思います。

あくまでも英国人であるノーラン監督

(お母さんはアメリカ人ですが、英国寄り)の

原爆であり核兵器なのだな…と

そこが、日本人監督やアメリカ人監督の描く

生々しい「太平洋戦争」との大きな違いに感じました。

広島・長崎に落とされた原爆が生まれるまでの

個人的・科学的な過程を丁寧に描いてはいますが

実際に描かれているのは

現在、

ウクライナ戦争で非常に身近になっている核兵器の始まりなのかと思いました。