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 私は組織内では有名なほうであったが、外見が暗殺者に見えないということが強みだったので、組織の人間にもあまり容姿が知られてないようにしていた。おまけに私は普段から外見をころころ代えて変装をしていることが多かった。

 暗殺者には、殺気がわかる。暗殺者には、警戒心がある。警戒の対象は、すべての人間。いまどき動物を使って街中で暗殺をするのは難しいから警戒の相手は人間だけでいい。

 私は私を知っているので私に対して警戒する。しかし、普通の暗殺者は日本では子どもに対して警戒心が低い。子どもの管理が他国に比べ圧倒的によくできているからだ。このところ話題になる統計に所在不明児童というのがある。もちろんあれは、無戸籍や死亡したとされた子どもを入れていない以上、暗数を含めた数はもっと多い。しかし、それでもこの国は戸籍制度がしっかりしている以上、信用できる。ひいては犯罪組織に使われている子どもはより少ないということだ。

 私は15歳(組織では18歳ということになっていた)のとき、組織の暗殺者と対峙することになった。相手は崇の知っている人だった。