3.武器係
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次は誰の話にしよう。ほかに親しい、その人についてたくさん話せるような人間なんていないから迷うかな。ああ、そうだ、雪の話をしよう。
雪は、私より4歳年上の女性だった。私はその頃には3歳かさ上げした年齢を名乗っていたから、彼女の年齢を自己紹介どおりに信用すれば実年齢では7歳年上だ。はじめて会ったのは私が14歳(実年齢は11歳だけれど、この話の中に限っては面倒なのでかさ上げした公称で統一する)、彼女が18歳のときだった。
彼女は私が組織の中で唯一友人と呼べる女性だ。歳が近かったからだ。ああ、でも認める、それだけではない。彼女は武器係であって主な仕事が暗殺ではなく、私はどんなに油断していても彼女に害されることはないとわかっていたから。そして、彼女が私をいろいろな意味で守ってくれていたからだ。