僕と君と2000年代のJ-POPのこと | HALUNA OFFICIAL BLOG「前略、電気シチーより」



◾️ ミュージック・マガジン 2024年8月号


【特集】 2000年代 Jポップ・ベスト・ソングス100


読了。


ここからは読書感想文です。

あくまでも僕の主観であります。


ミュージック・マガジンのこういった年代別の投票は面白いですね。


2000年代と言えば僕の10代後半に差し掛かり、洋楽ロックに被れた僕が1番邦楽から離れていた時期です(笑)


個人的な感覚としては2000年代は90年代から進むオルタナ化が更に加速して、更にブラックミュージックがもっと市民権を得た時期だと思っています。


派手なものはより派手になり

シックなものはよりシックになった時代です。


また2000年になったからいきなり全てが変わったわけではなく、グラデーション。

98年に宇多田ヒカルさんやMISIAさんがデビューし、R&Bシンガーさんが台頭し、99年には大泉逸郎さんの「孫」が大ヒット、この辺りから『これ聴きなさい』的な日本人文化特有の同調圧力は薄れてきて、00年に演歌歌手の氷川きよしさんがデビューして瞬く間にスターに。

どの音楽ジャンルからでもヒット曲が飛び出してもおかしくない時代に突入しました。

時代はグラデーションのように少しずつ移り変わるのだと、僕なりに体感した時でした。

誤解を恐れず書けば、ネットが普及するにつれ、老若男女に愛される「流行歌」というものは無くなっていきました(SMAPさんの「世界に一つだけの花が最後かなぁ」)。

良くも悪くも『誰が何聴いてもいいじゃん』という

時代になっていきました。


さて、本誌に掲載されてある楽曲は概ね共感できる内容となってあり、当時の僕の感覚とも近いと思います。


僕も僕なりの00年代と言えばこれかな?と思う曲を選んでみたいと思います(誰得だよ)。


とはいえ、掲載されているライターさん達のように25曲とか選べないですが(汗)


では



●HYDE「evergreen」

日本が生んだV系ロックという文脈で、最も親しみやすかったバンドはL'Arc〜en〜CielかGLAYだと思います。本人達は嫌かもしれませんが、そこはもう諦めましょうよ(笑)あの時代にアレだけのヴィジュアルを持って人の前に出たら、どれだけ否定してもV系ロック文化の恩恵は受けているわけですから。親しみやすさや好感度はそのバンドの大衆性を生み、所謂「国民的」バンドに神格化するわけですが、その国民的バンドのボーカルのソロデビュー作。ガラス細工のように美しい声と旋律とヴィジュアル。アートの要素をふんだんに散りばめた知性を感じさせる作品です。



●globe「try this shoot」

小室ブームは終わりました。小室哲哉さん曰く「宇多田ヒカルちゃんが僕を終わらせた」と。

それじゃあ小室さんのクリエイティブさは終わったのか?と言うと全くそれには当てはまりません。

ただ作品に難解さをもたらせたと思います。

大衆性よりも前衛性にウエイトを置いた、小室さんのトランス期の作品はカッコよさが兎に角際立ち、現代の「言葉を詰め込む」作品をこの時代に既にやってのけていました。

この作品を初めて聴いた時、鳥肌が立って、そのあと繰り返し聴く事になりました。

それだけ感情が揺さぶられる作品です。




●キンモクセイ「二人のアカボシ」

2000年手前あたりからあったメロコアブーム。

2001年のモンゴル800さんの成功がピークだと思いますが、そのメロコアブームに寄り添わない、シティポップをこよなく愛する僕が飛びついたバンドがキンモクセイさんであり、そのバンドの代表作。やっぱちょっと切なくないと嫌なんでしょうね、僕は。




●フジファブリック「若者のすべて」

デビュー作「桜の季節」を初めて聴いた時、『凄い人が現れた』と思ったものです。

ノスタルジックでメランコリックで、でもそこまで感傷的にならずに、悲観的にならずに、ポップ性の両立に成功した作品に驚き、年齢も僕とそんなに変わらない天才の登場に、ドギマギした記憶があります。

時を経て本作品はそのノスタルジックもメランコリックも残したまま、「ないかなないよな、きっとねいないかな」という感覚的に問いかける歌詞が聴き手の想像力を掻き立たせる志村さんの歌詞の書き口を更に進化させていました。

夏の終わりとあと少しの青春の残り香の切なさを同時に伝えるのです。




●LOVE PSYCHEDELICO「Last Smile」

オルタナティブという言葉が定着しつつある音楽シーンにおいて、日本にもそれは例外的ではなく、またその中でポップ性あるいは歌謡曲に伺えるような日本的なものを薄ら感じさせる楽曲がまだ美徳とされていた時、この楽曲の登場はそれらと対極の位置にあります。メロディの区切り方、また湿気を含むような音作りはそれまでのヒットチャートにはなかなか入らないものでありましたが、大衆の感覚がそこに近付いた事を知る一曲となりました。




●KREVA「アグレッシ部」

V系ロック畑出身の僕からすると、ヒップホップの路線の方々は「取り返しのつく人生に片足を置いて音楽をやってます」感が否めません。

V系ロックバンドマンにあるような「ロックがなかったら人として社会に接点を作れない」と感じさせる危うさです。これはヒップホップの方々にはありません。

ヒップホップの方々って元気じゃないですか。

生命力に溢れていますね。

学校のクラスで言えば完全に陽キャといわれる人達。

歌詞の中も恋人や愛する仲間の存在が伺えるリア充の発想。

、、、という僕の価値観を変えた一曲。

孤独に自分と向き合う、ピュアネスが溢れる楽曲。

KREVAさんの秀逸な言葉選びとトラックメイクによる賜物。


と言った具合でしょうか。

パーっと思いつくだけで20曲前後。

その後に、何度か聴き直して、またこの時代における楽曲の位置付けなども考慮して選んでみました。


皆さんは2000年代といえばどんな曲が思い浮かびますか?



HLN