行定監督の語り口は人懐こくて

友達に話すようなラフな雰囲気だけと

人や状況の観察眼が鋭くてさすが映画監督だなと。

ひねりの効いた落語のようで情景が目に浮かぶ語り口


ストンと胸に落ちるような言葉が心地よくて

お話をずっと聞いていたくなる



tokyo FILMeX2014/11/23 の

インタビューで行定監督は春馬さんを実直だと語っています


撮影を通して一番わかったのは

彼が実直だってこと 


真面目でね。。



春馬は自分のことを

子役からやってるから自負もあるんだろうけど

「ある意味面白みがない人間なんですよ」

みたいなこと言うんですよ。



だけどさぁ

それって 一番面白いじゃん。

この映画では面白くないことを披露してくれ

って言ったんです。

だって面白い人生なんてそんな無いし。

時計修理して、バイク乗ってブール行って帰って寝てじーちゃんの飯食っての繰り返し。


役作り何すればいいですかって言うんだけど

役作りしようが無いでしょ。


春馬が実直な人間だとわかったよ。

その後時計修理や中国語を要求以上に

覚えちゃってさ 

上手すぎるもん


と愚痴のようなネタのような

春馬さんを褒めてくれるのだけれども。








職人の技術や語学のマスターには

ほんと惚れ惚れするけど

表情や動き姿勢にあらわれる演技の実直さは息を呑見ます






美しい容姿だけでなく

立ち居振る舞いも美しいのに


何気ないシーンのふとした瞬間に見せる

春馬さん自身が持つ地味で素朴で地道な雰囲気に

ハッとさせられます。


美しいのに素朴なのは相反する印象で。


若くて初々しい俳優が、まだ素朴さを残しているときの

美しさとは違い


春馬さんと同じ美しい定義に当てはまる人は

見たことがないかも


俳優として研ぎ澄まされて、そぎおとされた美しさと緊張感とも違う

あえて凄みを出さないから 春馬さんの演技は。


なんだろう

身のこなしも美しく決まっているのに、いつも傍らに寄り添う優しさを

感じるんだよね。


決して孤高の俳優になろうとしないし

優しいんだ

眼差しとかゆっくりな語り口や、しぐさも


スーパーモデル的に美しいのに

おじいちゃん想いの孫的な雰囲気




おじいちゃんを心配するような眼差しが

(ストーリーに関係ないか(^o^;))

が素朴に見えるのかも知れないです。




映像の中の春馬さんは、セリフがないシーンにも台詞があるようにみえる。

気持ちが動いていく様を見せてくれるからみいってしまう。




台詞のない何気ない場面でも

秒単位で移り変わていく春馬さんの表情を見るたびに

演技に取り組む姿勢に実直さを考えずにはいられない







でも決して素ではないと思う。

素ではないけど、

監督が感じた実直さは

職人気質の素朴な春馬さんと

重なる気がします。





    



作り上げた感情の奥のほうに

春馬さんの自身の実直さが

キラッと光るから

ハッとさせられるのかも  




私にとっての春馬さんの真骨頂は

あの感情の移り変わりを

見せてくれるところかな







その役について

どれだけ

考え抜いて

実直に向きあったのだろう。



いつか天国にいったら春馬さんに聞いてみたいです。












春馬さんが自分を面白みのない人間なんですよと語る行定監督