栃木県南西部

足利氏発祥の地で知られる 足利市で

日本最古の学校 として、
国の史跡指定されている
足利学校

今回の春馬さんの取材です。


近くには足利氏の元邸宅の
鑁阿寺(ばんなじ)など、文化財が点在
するエリア。
どのような存在の学校なのか、
春馬さんがご覧になったものを
見たくなり、
見学したものを
合わせて読んでみたいと思います。




足利学校の創建は、
奈良時代国学の遺制説から
始まりますが、確かなのは
室町時代中期(1439)
上杉憲実(のりざね)が
しょうしゅ(庠主)という学長をおいて
学校を再興したのが始まりのようです。

今の学校とは異なり、
漢籍などの貴重な書籍を書き写す
自主学習だったようです。



学校という言葉を初めて使ったのが
足利学校で、まさしく
「學校」の書が彫られた額が掲げられた
門をくぐって
敷地内に入った春馬さんは

学校という言葉の原点に
「自然と姿勢が正されますね」
と穏やかな笑顔で、記念撮影されています。


春馬さんの服装は松の葉色の
上品な緑色のセーター姿で
実直な姿が素敵です。





実際に敷地内や周辺を歩いてみると
足利学校は、実に植物が多いのです。

お堀を囲うおかめ笹の土塁に始まり
建物を南北の築山庭園、
学校の教えを象徴する「かなふり松」(字降松)
様々なタイプの緑に囲まれていて、

特におかめ笹の土塁とお堀の池は、
実に美しくて
足利学校の象徴のように思えます。



春馬さんが着ている
松の葉色のセーターは、この場所の持つ
植物に包まれ穏やかで、静かな雰囲気
そのものだと感じました。

もしかして緑色は、偶然ではなく、
春馬さん、下調べを十分にされて
この場所に来られているのかな。

心を寄り添わせて、この場に
取り組んでいるように
見えます。


だとしたら
ただ者でないな
本当に春馬さんは。










学校門をくぐり、正面には孔子を祀る
孔子廟(コウシビョウ)
お寺の本堂のような雰囲気です。
1668年創建以来、2020年9月に保存
改修工事が終わったばかりです。


学校門の右手には、講義を行った方丈があります。
方丈は茅葺き寄棟造りの屋根で
お堂のような方丈形式の建物です。





方丈の奥に進むと、庫裡があり
庫裡の前に置かれた
「ゆうぎのき(宥座の器)」を
春馬さんが体験されています。

宥座の器は、孔子の中庸の教えを説く道具で
傾いた壺に水を注ぎ、入れすぎると
こぼれる事から、
「いっぱいに満ちて覆らないものはない」
と慢心を戒めるものだそうです。










宥座の器を体験した春馬さんは

「体験した時にストンと府に落ちたのを
  覚えています。」

「足利学校の歴史と雰囲気を感じて、
   財産やものはなくなるけど
   知識はなくなったり、盗まれたりしない」
 と語っています。




本当に春馬さんは、
演技論、発声、武道、踊り
役柄を習得するまての職人気質な努力
など

あらゆる知識を吸収し、培った知識で
役柄に魂を吹き込ませ、
その演技で視聴者の心を揺さぶら
せてくれました。

受け取る側も
与えてもらった分
心に吸収されています。

春馬さんから受け取った知識と心は
決して忘れる事は出来ないし
盗まれぬよう思い続けるよ。

感謝し続けたいです。








足利学校では
食事と宿舎を提供し、
おもに僧侶が論語などの儒学を中心に
自主学習を無料で学ぶことが出来たそうです。
時代が経ると、吉田松陰や渋沢栄一も
訪れています。





春馬さんは、足利学校のことを

「今でいう図書館のような存在だった
   のかなと思いました。」

「当時はわざわざ遠方から訪れてまでも
  何かを得ようとしていた。
 熱意のある人が来るところだったんですね」


とおっしゃっています。






たしかに、史跡なのに、
文化施設の香りがする場所です。

春馬さんに似合う雰囲気です。



勉強家の春馬さんは
当時の人だったとしても
足利学校へ通い続けたのじゃないかな。

そして、日本を発展させてくれたろう。



まだ予告でしか見ていないけど
五代友厚のセリフ

拳を振り上げながら

「俺に学ばせるということは、
この日本が一日早く進歩するということだ」

が思い浮かんで、
じーんとしました


春馬さんと友厚さんか
まるで重なったかのような
錯覚だけと
そう思わせてくれる足利学校です。



散策にもいいな。



訪れた11月23日は、偶然にも
せきてん(釋奠)という孔子を祀る儀式
(祭り)の日で賑わっていました。

上の写真は、敷地内から学校門を
眺めた様子です。
この時だけ、一瞬、
人の波が引き
細身の背の高い、若い男性が一人で
歩いていたのを偶然見て、
とっさに写した一枚です。
とても美しくて、
重なるような気がしてしまって。











君に届けの撮影の合間に、
足利学校に一度来たことがあったようです。

近くで撮影されていたようなので
風早くんと黒沼さんが出会うあの桜並木の通りの撮影場所へ足を運んでみました。

11月なので
ゴツゴツした幹と、硬い
まだ一向に桜は開きそうにない。
かたいつぼみ。

春を呼び寄せ
開いてくれることを
願い続けます
桜の花。



2017年4月号掲載







足利学校近くのわらび餅カフェです