身体の老化と気持ちの老化 | 自分らしくしなやかに

自分らしくしなやかに

自分の人生をいきたいと願いつつ還暦になってしまいました
母の縛りはますます強固に、介護という名で重くのしかかっています

母を見ていて哀れだと思うことがいくつかあるのだが
そのひとつは自分の老化を受け入れていない事だと思う

私を縛るためにはヨボヨボの老人風を装ったりするけど
本当は、そんなに自分が年を取っているという、おばあさんだという自覚はないのだと思う。

誰も老いは受け入れたくはないけれど、
それでも容姿は衰えるし、できないことも増えてくる

母は、いつまでも自分の若い頃のイメージを追い求めて
それが叶わなくてストレスを感じている様に見えて
情けない

未だにシャキッとした婦人服ブランドのスーツを着こなし
可能であればヒールだって履きたいと
嘆く

骨粗鬆症で圧迫骨折を起こし、前傾した背骨と
身体を締め付けるのがいやで
ゆるゆるのものを身につけ
しんどい運動は嫌いで
腹筋が緩んで前に飛び出した大きな腹囲で
大きなサイズのものしか
入らない

でも、太っている訳では無いから
大きなものだと全体は
ぶかぶかになる

いつも、何とか入るサイズのものを買って
できる限り幅を出してもらっているのだが
それも一冬寝かせておくと
もう入らなくなっている

「おばあさん」になれば良いのに
きれいな「おばあさん」になれば良いのに

それが嫌なら、努力すればいい
しないのなら受け入れる

ヨタヨタと助けてもらわないと歩けなくて
なんでスーツ着てヒール履いてバッグもって
どこへ行くの?

私が買うコートより
遥かに高いカシミアのセーターは
食べこぼしでシミだらけ

それでもまだ
「運転免許返すの早すぎたわ~」と
せっかくここまで無事に来たのに
晩年になって万が一事故でも起こしたら
晩節を汚すどころの話では無くなるからと
77歳くらいで免許の更新を諦めさせたことを
そのことを時折なじる

目が見えない
背中が痛い
お腹が張る
入れ歯の具合が悪い
立ってられない

そう言いながら、
今週ももう3回もデパート巡り

自分は忙しいんだと
することがたくさんあるからと
趣味にサークルにと
世界を広げ充実して過ごす友を笑う

いや、ほんとうは羨ましいのかもしれない

生活を現役と老後に
きっちりと切り替えた
ひとり暮らしのその友は
私の母の愚痴を聞いてくれる人でも有り
私が目指す老後の生き方を
示してくれる人でもある

こんな年寄りには絶対なりたくないと
娘に思われる母は
可哀想なのかもしれない