私の仕事は拘束時間の長い飲食業であるため、平日は仕事の傍らで子育てをしているようなもので、
5歳の息子は昼間は保育園、夜はおばあちゃんシッターで過ごす平日を送っている。
ただ、実家での商売なので常に離れている訳ではないのが救いで、息子は割と自由にちょこちょこと店をウロチョロしていたりもする。
が、当然こちらは仕事をしているので構えるようでかまえない。
そんな息子がある夜、店にヒョコっとやってきて、「ママとオモチャで遊びたい!」と言ってきた。
「いいよ!仕事が終わったらね!」と返すと
「わかった!あとでね!」
と、いうとさーっと何処かへ消えた。
その日は閉店ギリギリに入ってきた男性客が一人、こちらからは見えない、奥の席でタバコをふかしながら呑んでいたのだが、
気づけばこんなやりとりが聞こえてくるではないか。
「ねえ、いつ帰るの?」
「ん?ご飯食べたら。」
「、、、、。ご飯もう、食べ終わった?」
「まだ。」
「ねえ、まだ?もう終わった?」
「、、、、、まーだだよ。」
「そろそろ早く帰ったほうがいいよ?」
「ん〜〜。」
息子である。
息子が男性客の向かい側に陣取り、頬杖をつきながら早く食べて帰れとせっついているのである。
ギャー!!!ごめんなさいっっっ!!!
慌てて謝ると男性はタバコをふかしながら
「チビと呑むのもいいもんですよ。」と笑ってくれた。
子供は常々、正直で、自由である。
その男性客だが、それからも相変わらずたまに来てくれていて、感謝しかない。