扉を少しあけた先には旦那はいなかった。


家の近くに隠れているのだろうか?


ほっとしたのもつかの間、扉がいきなり勝手に開く。


目の前には旦那。


扉の裏側に隠れていたみたいだ。


いきなりすぎて、思わず声にだす。


『何しにきたん!』


すると旦那は


「いやいや帰ってきたんやん」


と普通に答える始末。


私は家の中にいれちゃいけないと思って必死だった。


『いくとこあるやん!こっちにくる必要ないやろ!』


「とりあえず中いれろや」


『離婚したらでていくいうてたやん。今でていっても一緒やろ!』


「まだ離婚してないし、俺の家に入って何がわるいねん!」


離婚するまで、本当にでていかないつもり?


『わかった、離婚したらでていくねんな?』


「そうやって言ってるやん!」


『わかった、わかった。ほな今から離婚届出しにいこうや』


「わかったわ」


離婚届を出せば、出て行くという旦那に従っているように見せかけて、私はなんとか時間を作ろうとした。


そう言って、とりあえず家の中に私だけが入り、子供を抱っこして、保育園へと向かう。


どうやって時間を稼ごう、、、


保育園に行くまで、私の自転車の後ろを、車で付いてきた。


私が子供を保育園に預けている間は、旦那は保育園の駐車場に待っていた。


この時間は、子供をあずけにくる親御さんで混む時間。


これだ!


私は自転車に乗り、市役所の方向にいくフリをして、駅の地下駐輪場に逃げ込んだ。


旦那はなかなか保育園の駐車場からはでれず、私を見失ったようで、GPSでは市役所の方に向かっているようだった。


とりあえず私は旦那のきょうだいに電話をかけた。