あれは夢だったのかと
今でも思うことがある

火の粉降る城下
墨染めの法衣
走りゆく馬

争乱のなか
吉野で逢おうと
固く契りを交わした

かのひとが現れる
そんな気がして
春になるたび
山にわけ入っていく

桜色の手巻きを
腕にして