大ちゃんのお話の続き。


思い返せば、7年前のトリノオリンピック後、ずっと休む暇もなくトップを走り続けてきたんですよね。


怪我のシーズン、競技はお休みしたけど、スケートとは別次元の大変な戦いがあり「休む」という言葉
とは程遠かったはず。


きっと少なくともこの7年間、心からほっとした事なんて一度もないんじゃないかなと思うとちょっと
泣けてくる。


ずっと張り詰めた状態で、エースとしての責任を背負い、トップにいる事を期待され、結果が伴わない

時もメディアに対して気丈にふるまい、ギリギリの精神状態でがんばってきたんじゃないかな?


怪我明け、ジャンプを1から作り直し、日々変化する自分の体との戦いだった2009~2010シーズン。

衝突による体の不調を公言せず、モチベーションを理由に自分の責任と言い張った2010~2011シーズン。

この2年は1対1の対戦競技でもないのに特定の選手とのライバル対決煽り。


今シーズンは特に「世代交代」の印象が強く、周りは若い選手ばかり。


ファイナルも四大陸も若い選手に混じって、ベテランが一人で孤軍奮闘。

メディアには昨年はパトリック、今年は国内の若手とのライバル対決を煽られ、”世代交代”を連呼され、
粗探しされ、1回負ければ「終わった人」扱いする人たち。


常に若手の台頭に関するコメントを求められても嫌な顔一つせず、相手を誉め大人な対応をする大ちゃん。

ほんとに頭が下がります。これは真央ちゃんにもいえること。


でも、ずっとこのような状況の中で走り続けて平気な人なんていない。

色んな事を前向きに捉えようとして、気丈に振舞ってはいるけど、カラダも心も疲れてるのかな・・
と思いました。


一旦、背負ってるものを降ろして休んでほしいと思うけど、あと1年間、走り続けるしかないんです。
それが本人の希望だから・・・。

これまでも、苦境から不死鳥のように蘇る大ちゃんの強さを何度も何度も見てきたから、
やわらかい物腰の根底にある鋼のような強さを知っているから、心配はしていない。


だから、ファンは応援するしかない。ガンバレ大ちゃん!


今シーズンの大ちゃんを見て、ASKAのこの曲が頭に浮かびます。

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 「月が近づけば少しはましだろう」


 いろんなこと言われる度にやっぱり 弱くなる

 いろんなこと考える度に 打ち抜かれて

 恋人も知らないひとりの男になる


 壁にもたれて もう一度受け止める

 小さな滝のあたりで


 角を曲がるといつも 消え失せてしまう言葉だけど
 心の中では 切れて仕方ない


 この指の先でそっと 拭きとれるはずの言葉だけど
 積もり始めたら 泣けて仕方ない


 ごまかしながら生きて来たなんて 思わないけど
 夢まみれで滑り込むような事ばかりで
 毎日の自分をどこか 振り分けてた


 僕の中を 通り過ぎ行く人 ほんの一瞬の人


 朝の改札では 大勢の人が流れて行く
 カーテンを引いて ベッドに転がる


 静かに変わる時間を 閉じるように瞼を閉じる

 月が近づけば 少しはましだろう


 動きたくない身体を 毛布に沈めて聞いてた
 鳴り止まないサイレンの音 胸の音なのか


 角を曲がるといつも 消え失せてしまう言葉だけど
 心の中では 切れて仕方ない


 この指の先でそっと 拭きとれるはずの言葉だけど
 積もり始めたら 泣けて仕方ない


 静かに変わる時間を 閉じるように瞼を閉じる
 月が近づけば 少しはましだろう


 http://www.youtube.com/watch?v=2ZOUSG2DI48

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トリノオリンピック後の成績を振り返ってみました。
これが、「再起不能」と言われる程の大怪我をした人の戦績ですよ。


出場した試合:36回
金メダル : 17個
銀メダル : 11個
銅メダル :  3個

台落ち  :  5回(今回の7位が最下位)


台落ちの原因も「根性論」ではどうにもならないものばかりです。


 2008年 世界選手権。絶対的な優勝候補として挑むもまさかの4位
       (後で靴の問題があったという話)
 2009年 怪我明けの復帰戦での4位、同じくグランプリファイナルの5位
 2010年 直前練習の衝突事故による不調で4位
 2011年 世界選手権。靴のビス抜けによる演技中断で5位
 2013年 四大陸選手権。1週間前に靴(エッジ?)を新調したとの話


この裏にどれほどの努力があるか・・・大ちゃんの「慢心」とか「気の緩み」という言葉を
真に受けるファンは誰もいないけど、一般には誤解されることもある。
 
大ちゃんと真央ちゃん・・・この2人のエースはもどかしいくらい決して言い訳をしない。
自分に起こった事を他人のせいにしない。全てを自分の責任として受け止め、ボロボロになり
ながらもチカラを振り絞って次へ進もうとする。


2人のファンが多いのは、「強いから」だけではない。その生き様に惹かれるから。
負けてもファンが増え続けるのがその証拠。

その人としての魅力が素晴らしいから。そして、その内側にある強さや優しさ、生き様が演技に
溢れ出ているから。


このかけがえのない2つの才能が同じ国・同じ時代に存在している奇跡を1ファンとして幸せに
思います。連盟もメディアも、頑張って日本のスケート界を盛り上げてきた選手達をもっと大事に
してほしい。敬意を持ってほしい。


でも、その存在の大きさを思い知るのはのは、きっと選手が引退した後なんだろうな・・・。


彼が思い残すことのないようソチを目指しているのだから、私も思い残すことのないよう、

大ちゃんの紡ぎだす一瞬一瞬をしっかりと見ていよう。