⚠︎長文記事です⚠︎


2022.8.4

東横イン小田原で夜を明かしたハローダ。ホテルでの朝食を済ませ7時45分に小田原駅に到着ッ!


東海道本線(JR東日本)の旅も残すは小田原熱海間5駅のみ!!


迷わずに7時56分発の熱海行きで次の早川駅


ふと車窓に目をやると、小田原市の街並みから急にが目立ち始めます。


しかしこの日の空は雲に満ちており、ホテルから出発する前の予報も曇りのち。悪い予感がします……

小田原~早川間乗車中にふとYahooの雨雲レーダーを目をやると、真鶴~湯河原あたりに雨雲が……

2日目の駅巡りにやられることが確定事項となってしまいました…


…列車は駆ける。の湧き出る楽園を……


急峻なる箱根の麓を、風のように……


小田原駅から僅か2分程度で早川駅に到着、駅間の長い東海道線では珍しく駅間が短い区間です。



ーあまねく潮風と共に、港に寄り添う駅ー

JT17 早川

1922年12月21日開業


小田原漁港の最寄り駅で、日本で一番"港に近い駅"としてその風情を客に伝える風流な駅で、そのロケーションの良さは国民的アニメ「サザエさん」でも描かれるほど。


ただ、駅のホーム上にはあまり屋根が無いのでの日に屋根のない駅に降りる時は、降車した瞬間に傘をさした方がいいです。


駅の中には簡易改札と小さな待合室があるのみ。その改札にSuicaを翳(かざ)して、目の前に見える自転車群が置かれた円形のロータリーに立ち、駅舎を見る為に身体を翻す。



見事なままの木造駅舎ァ!!


1日目に大磯駅の木造駅舎を見た時のようなシンパシーを感じました。大磯駅の場合は真の湘南に相応しい気高き雰囲気がありましたが、この早川駅長閑な港の最寄り駅というイメージを感じさせるもので心が落ち着きます。


一夜城在りし丘陵を背負った駅を、朧げな刹那のように、我はこの駅を去ろう。


もっと落ち着く、もっと景色の広い駅はこの先に在る。


そう、すぐ隣だ…



5両編成熱海行きに乗り、次なる駅へとは向かう。


心を見つめ直せるような、楽園へ……!!


いくつものトンネルを潜り抜け、急峻なる箱根山の崖の近くを東海道線は往く。


窓に目をやると、そこには今まで見てきた車窓とは全く違った、壮麗なままの絶景が広がっていた……



見よ、果てなく拡がる相模灘を。


これが東海道線で最も美しき車窓と言っても過言ではないだろう。


並行して走る東海道新幹線でこの広大なる相模灘を見れるのはほんのわずか、刹那にすぎない。 


……が今まで見てきた車窓の中で一番"壮大"な車窓だ。


ー無限に広がる天と、無間に流転する海。その境界は明瞭に分けられていたー


ー天蓋の雲の下の海は、"美しき駅"への到着の予兆だー


そう、その駅の名はー



ー断崖絶壁の孤高に佇む、清廉なる潮騒の駅ー

JT18 根府川

1922年12月21日開業


言わずと知れた東海道本線の中の、数少ない無人駅。近年になって同胞たる無人駅は他社区間で増えたが……


乗車人員(最終計測年である2008年当時の)はまさかの637人!!


えっ……((((;゚Д゚)))))))山手線の駅等東京の駅ばかりを見てきた私からすると桁が2、3ぐらい少ない……


逆に言うと、それだけ平穏なる静寂身を包む駅(とその周辺)と言えるのだろう。駅周辺の空気も澄んでおり、吸うと実に美味しい。


鶏の鳴き声もまた良きものだ。


見ての通り空が広く感じる。そしてー



無人駅の癖に15両編成が止まる2面3線のホーム!!(うち1つは待避線)


その番号の割り当ても1、2、3番線……というものではなく、画像右から2、3、4番線……というイレギュラーなものとなっている。 


東海道本線のみの駅で1番線が存在しない…というのもこの駅にもかつては1番線が存在していました。貨物列車の発着場として在りましたが、1970年あたりに廃止された模様。


…上画像の話に戻すが、駅のホーム上にはと2~3名の客がいるのみ!!


他の東海道線の駅がだとしたら、根府川駅という風だ。


ぽつんと2・3番線上に佇む待合室がこの根府川駅ミステリアスな雰囲気を増長してくれます。


あとホーム上に野生の猿も稀に出没するので要注意!!



ホームから駅舎へ向かう通路もまた独特の雰囲気で、偏狭だがどこか懐かしさを感じ取れる。さて、このまま簡易改札にSuicaを翳そうとした時にが見たのは、"関東大震災殉難碑"ー そう、今から約100年前にこの厄災によって開業から1年も経たない頃に根府川駅最悪の被害を、悲劇を被ってしまったー


その悲劇の詳細はここで見て欲しい(根府川駅列車転落事故)※閲覧注意※


ー相模灘の深淵に今もなお眠る、駅と数多の魂ー


ー気分を害して済まなかった。悲しい話からは出来るだけ背けたいだろう。だが向き合うことで同じ悲劇を繰り返さぬように、人類は進歩していく。



JR東日本横浜支社による根府川駅の紹介文。こうやって複数の写真を添えた詳細な解説によりこの駅が只者ではないことが伺える。


アニメの聖地化ドラマ撮影のロケ地詩人による書き起こし関東の駅百選認定……


から見てもこのような極めて特異性の強い駅に降りたのは初めてだ。上記写真を撮った時には駅に降り立って既に40分以上も経っている。


要はこの駅に魅了され、虜になってしまったのだ。


そう、単独の鉄道駅としてはあまりにも解像度が高い。高すぎる。国鉄時代の古き良き温もりが感じられる。


根府川駅はまさしく"絶景を観せる怪物"と言っても過言ではない。


東京駅上野駅なのようなターミナル駅とは違うベクトルクオリティの高い駅で、激しく旅情をそそらせるものだ。


100年に一度、こんなファビュラス(訳:非常に素晴らしい)なる駅が出来るか出来ないかのレベルのように思えてくる。



改札口からも海が見える。駅としてあまりにも美しすぎるのです。貴女(駅)は……


行けたらでいい、一生に1回でもいいからこの駅には行っておけ。



ーみかんの花咲く楽園に顕現した、華奢で可憐なる駅ー



最後にミントグリーンの素晴らしき木造駅舎を見ていこう。


ああ、小さな駅であるが故に可愛い。愛したくなる。


ねぶ可愛いッ!!(ダジャレはやめろ!)


ここまで1時間以上根府川駅に滞在して来ましたが、ここで空から雨粒が降ってきました。


雨が降ってきたのですぐさま駅に戻り、列車に乗る。


乗った列車は白糸川鉄橋を渡り、寒ノ日山トンネルを通り抜ける。


相模灘も東海道線の線路から遠のき、本格的に箱根の山中を穿(つらぬ)いていくー


次なる駅は…



ー良風美俗、端麗なる大地への玄関口ー

JT19 真鶴

1922年12月21日開業


後述の湯河原と並ぶ観光地の駅で、"東洋のリビエラ"と謳われた「かながわの景勝50選」にも選ばれる天然の観光地・真鶴岬の最寄り駅となる駅。


駅から離れた海岸には大小様々な岩石が偏在しており、その地の利を活かした採石貨物列車がかつてこの真鶴駅に発着していました。


ー箱根からの神秘が、鶴の如き大地を象るー


ーという話はさておき…早川駅根府川駅を訪問した時にはは降っていなかったのですが、乗車電が真鶴駅に差し掛かった頃には雷鳴が聞こえたので駅到着と同時にやむなくホーム上の屋根の下へ潜りこみました。


美しい曲線を描くホームを撮影し、すぐさま改札を抜けて駅舎を瞬写。箱根山に近いこともあって天気が急変する事は理解していたものの、この雷雨のお陰で真鶴駅と湯河原駅にあまり時間を割けませんでした☔️


早川駅根府川駅に続くどこか懐かしさを感じる木造駅舎三連星に無事脱帽させられました。田舎は何故こんなにも空気が澄んでいるのだ!


根府川駅よ、貴女が駅としてあまりにもハイクオリティで美しすぎたのが罪だ…



まるでハワイの光景を彷彿とさせるホームへの連絡通路の傍には真鶴岬の象徴、三つ石のオブジェが設けられていました。


こういった天然のランドマークが目立つのも山手線の駅とは大きく異なるところですね。


雷雨に駆り立てられ次の湯河原駅


するとJR東日本東海道線末端区間では珍しいものが駅の留置線に鎮座していた。



横須賀線E217系Y-30編成だ。


横須賀線ではE235系によるE217系の置き換えが進んでおり、執筆現在ではE235系>E217系なまでに進んでいるため、E217系の雄姿を収めたい方は今すぐにでも撮影した方がいいです。


そのE217系が何故この湯河原に疎開しているかまでをも話すと長くなるので割愛。記事のメインはあくまでも"駅"巡り。そこはお分かりしてもらいたい。



ー熱泉滾る楽園、湘南の"奥座敷"たる駅ー

JT20 湯河原

1924年10月1日開業


神奈川県最南端の駅で、東海道本線では割と後発組の駅でもある(後に新子安や東戸塚等も開業している)。名実ともに湯河原温泉の最寄り駅で、初期のガキ使では駅とその周辺番組のロケ使われました(ガチで)


また、JR東日本アプリ搭載の列車位置情報把握可能区域やATOSが導入されているのも当駅までです。


前3駅と比べて駅前が栄えており、2017年にはみんな大好き隈研吾様の手によって駅前広場と駅舎がリニューアルされました。



隣駅である熱海駅に負けんと言わんばかりのモダニズムかつ温泉街・湯河原の玄関口に相応しい姿となったこの駅は券売機の並ぶところに温泉への入口を彷彿とさせる暖簾が下げられていました。



駅前広場には温泉地近くの駅にありがちな足湯…いや、湯河原温泉源泉100%を使用した手湯コーナーが設けられていたので、でも惜しみなく温泉に触りその効能を味わい尽くしたところで、いよいよ東の最果て……そう……


神奈川県を超えて静岡県へ、東海道本線の総延長距離も遂に100kmの大台を突破した時……"東洋のモナコ"に辿り着く。



ー過疎より返り咲いた、不死鳥の如く燃ゆる駅ー

JT21 熱海

1925年3月25日開業


古代の世から温泉地と讃えられ続けてきた熱海温泉の最寄り駅たる、JR東日本JR東海の境界駅。東海道新幹線も停車するが、新幹線の駅は珍しく待避線がない。これは熱海駅周辺の高低差が激しく、駅のすぐ裏にが聳えてるからである。


いやぁ!山手線の次に全駅踏破した路線がまさかの東海道線になるとはなッ!!


なんと言っても2022年鉄道開業150周年の年!!全ての始まりの路線である東海道線に敬意を払いたいと思い、東海道本線に所属する全てを巡ろうと思いました。



駅舎は2016年にリニューアルされたもので、中央の窓が旅館の障子を彷彿とさせます。


雨に濡れるタイルが熱海駅舎の美しさをより引き立てていますm(_ _)m


写真右手に映っているのが駅前の足湯"家康の湯"とも呼ばれたり…


雨で冷えた足を温めるべく足湯へ



利用客も主の足も映さずに足湯を楽しむ様子…もとい、水面をご覧ください


湯河原で手湯を、熱海で足湯を堪能するひそかな悦びを味わい駅前を少し観光し再び熱海駅


そう。ついに帰る時が来てしまった。


帰る時はその地特有のお土産を買ってから帰りたい。なので饅頭とバウムクーヘンを購入して、熱海上野まで上野東京ライングリーン車に課金


勿論2階席で席は海側でッ!!


要するに今まで降りてきた駅名を見て駅巡り振り返りをして帰ろうというものですw


指がかすかに写っていますが見逃してください


昼ごはんは穴子弁当です。それも熱海~小田原間で無事に完食。


ついさっきのように訪れた駅を横目で見ていき…


車窓から見たかった根府川駅も再び見つつ、駅巡りの旅の精算を脳内で行い、旅程を振り返るかのように車窓を見つめる。



気がついたら年末も近くなってきたので次回から正月までは2022年を振り返りたいと思います


次回は2022年に降りて良かった駅10選を紹介します。