雨の余白 さっき淹れた珈琲が 冷め始める頃 静かに降っていた雨がやんだ 厚い雲に覆われた空の下で 街は 不思議な静けさと美しさに 包まれている こんな風に 一雨ごとに 秋が深まっていく あの夏のぎらついた太陽と 息苦しいような熱風が 懐かしくさえあるけれど この過ごしやすい季節を けして嫌いなわけじゃないし 素晴らしい事も知っている ただ あの夏の夜のざわめきが ちょっとだけ 恋しく 忘れられなくて せつないだけなんだ ...