流しても流してもなくならない。

ちょうどこの季節。

鮮明に思い出す為に、過去に自分が書いたmixi日記を読み漁った。

親友との別れ。

一番、病気に苦しんだ日々。

読んでたら、あたしは人に恵まれすぎてて、ぼろぼろ泣けてきた。

もう戻らない、大切なやりとりをした日々も。


8月12日。
あたしの親友が旅立った日。

倒れた日は、
あたしが大阪にライヴに行った日。

そして、
翌日東京に別ライヴを見に行って、
帰ってきた夜のことだった。

知人からかかってきた電話。
滅多とメールもしない相手から。

電話の向こうで、彼はずっと泣いてた。

そこで朧げながらに告げられたのは、
あたしの大親友が、亡くなったということだった。

状況を掴むまでに物凄い時間がかかった。

どうして…?
半月前、あたしが出たライヴ見に来てくれたばっかやん?

彼女は、あたしよりももっとひどい精神疾患に冒されていた。
それは知ってた。だから、彼女の行動や暮らしに、何ひとつ口出しはしなかった。
言いたくなるまで、こっちから聞かないでおこうと思って。

彼女は、自ら命を絶った。
話を聞けば、倒れたのはあたしが大阪にいる日。
「本当はその日に連絡しようとしたんですけど、落ち着いてからにしようと思って…。

アカペラが大好きで、いっぱい一緒にライヴに行った仲。
あたしがライヴに行くのをどれだけ楽しみにしてるか知ってる。
やから、連絡させへんかったんかと今でも思ってる。

その時に、やたらと心に残った歌詞。
ゆずの「嗚呼 青春の日々」。

「そっちの世界はいったいどんなんだい?
俺もそのうち行くけどさ
そんな時までめーいっぱい悩むこともあるけれど
自分なりに生きてゆくよ

この唄は聞こえているのかい
もし聞こえているのなら
下手くそな唄いっしょに歌おうぜ」


電話を受けたあたしは、現実を受け止め切れず、
大泣きしながら、おかんの部屋に駆け込んだ。

「春菜さんのこと、親友だって言ってました。」

じゃあなんで、ひと言も残していってくれなかったの?

電話をしては2時間以上喋り続け、
一杯のコーヒーで5時間も喋り、
あたしが車買ってから一緒に買い物行ったり。

ぜーんぶ、思い出になってしまった。

翌日は仕事の後、組んでたアカペラグループでのステージがあった。

仕事をしててもロクに働けず、
早退させてもらって歌う前に会いに行った。

綺麗な顔をして眠る彼女。
ただただ、涙が止まらなくて、横で泣き続けた。

裏方も、ステージも、凄く高いポテンシャルで臨んでたから、
ここでステージに穴を空けようもんなら、きっと怒られる。

だから、へったくそなベースやったと思うけど、
届くように。聴こえるように。その日はステージに立ち、
終わってから何人かで、もう一度会いに行った。

そこで一曲歌うことになり、
ゴスペラーズのPromiseを歌うことになったはいいが、
リードをやる人が歌詞を調べようにも出て来ない。

「歌詞わかるでしょ?春菜に歌って欲しいみたいだよ」

ほんとに下手くそでどーしょーもないリードをやらせてもらって、
みんなに頭ぽんぽんされたり、励まされたり。

傍から見ても、相当仲良かったみたいだよ、あたしら。

翌日。
平日のお昼やったけど、仕事を休ませてもらって、
身内の方以外で唯一、出棺に立ち会わせてもらった。
旦那さんの実家が島根で、葬儀は島根で行うとのことで、火葬だけ岐阜でする、と。

彼女には旦那さんも娘ちゃんもいる。
まだ幼い娘ちゃんは、前の日は元気に葬儀場の中を走り回っていた。
でも、出棺の時には、ただひたすら、大泣きしていた。

あたしも出棺後、帰ろうにも涙が溢れて車が出せず、
葬儀場の方に「落ち着いてからでいいので、気をつけて帰ってください」
と言われたことを覚えてる。

生きてたらまだ楽しいことあったかもしれないのに。
ほんとに。バカなんだから。ずっと言ってやるからな。

でも、あたしもおんなじような病気になって、
気持ちはわからなくもない時もあった。

もしかしたら、その時にあんたんとこ行ってたかもしれんもんね。

でも、まだそっち行っとる場合やないから、
あんたの分までたくさん楽しんで笑って、
悩んで泣いて、めーいっぱい生きてやるから。

あたしがおばあちゃんになってそっち行っても、絶対あたしやって認識してよ?
んで、アホほど語って一緒にアホほど笑うんやからね?

いつまでも大好きやから。

たまにはあたしのことも見とってよ?



またね。



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