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司法試験問題をつかって勉強しよう♪

<昭和30年旧司法試験第1問>


代表取締役と、本店の支配人の違いを説明せよ。


1、意義
代表取締役とは、株式会社の業務の執行と対外的な代表を担当する必要的常置機関である。それに対して支配人とは、営業に関する包括的代理権をもつ商業使用人である。


2、その共通点
権限はいずれも、営業に関する裁判上の、または裁判外の一切の行為におよぶ
①登記
②取引の相手方保護
③競業防止義務


3、その相違点
代表取締役は会社の機関の一部であり、企業主体との関係では委任の関係にたつのに対し、支配人は商業使用人であり、企業主体との関係では雇傭関係にたつ。
具体的には、代表取締役は会社の行為そのものとして、会社の代表権をもつのに対し、支配人は会社の代理権を有する。


そしてその権限の範囲だが、代表取締役の権限は、会社の業務に関する一切の裁判上または裁判外の行為であるのに対し、支配人の権限は、特定の営業に関する一切の裁判上または裁判外の行為である。
そして、代表取締役と支配人は競業防止義務を負うが、支配人は企業主体との関係では商業使用人としての従属性があるために、精力分散防止義務を課されている。