商法ことはじめ♪ | 制限速度20~30km/h

商法ことはじめ♪

まずは商法総則について勉強してゆきますヾ(@^(∞)^@)ノ頑張ってついてきてネ!


■ 商行為概念について


◆ 商人法主義
商人とは何かを定めてから、その商人の行う行為を商行為とする。


◆ 商行為法主義
商行為とは何かを定めてから、その行為を行うものを商人とする。


◆ 日本の立場
まず商行為とはどのようなものかを501条、502条で定め、4条でこの商行為を業とするものを商人としているが、他方同条2項で、店舗で物品を販売するものや、鉱業を営む物は商人とみなすという、擬制商人を定めており、これは商行為概念を離れた商人について規定するものであり、また503条で、商人がその営業のためにする行為は商行為であるとする付属的商行為を定めている。したがって、日本の商法は商行為法主義をメインにしつつ、商人法主義を加味したものであるということができる。



◆ 商人資格を取得する時期は?


会社の場合は、会社法49条にあるように、会社が設立されるとき、つまり設立登記をした後に商人資格を得る。
それに対して自然人の場合はどうだろうか。映画館の経営を計画したAが、開業資金とするため友達から金銭を借り入れたが、友達が弁済期を過ぎたのに五年以上何も請求してこなかった場合、Aは借りたお金を返す債務が522条商事消滅時効の「商行為によって生じた」ために、消滅時効にかかったと主張できるのだろうか。


Aがお金を借りた時点でAが商人資格をもつとするならば、503条は商人が営業のためにする行為は付属的商行為であるとしているため、522条の商事消滅時効にかかると考えられる。


この点<判例>は、表白行為説をとっている。この説は、商人資格を取得するためには、営業の目的である行為を一回でもしておかなくてはならないという必要はないが、営業の意思を外部に発表しておかなくてはならないとするものである。


思うに、どの段階で商人資格を認めるべきかという問題は、営業の意思が主観的に実現されているから、自分は既に商人であり、商人である自分が行う行為は付属的商行為であると主張する者の利益と、相手の利益を比べることによって判断できる。


そうなると、重要なのは相手が営業の意識を認識できたかどうかである。


<判例>では、開業の準備行為をなしたものは、その行為によって営業を開始する意思を実現したものであり、これによって商人の資格を得るとしている一方で、そのような準備行為は、相手方はもとよりそれ以外の者にも客観的にそれが開業準備行為であると認められうることが必要であるとしている。


これらの判例の考え方から、相手方が営業意思を認識できたかどうかに応じて、商人資格の取得時期を決めるべきであると考える。


具体的には、行為者の営業の意思が、開業の準備行為によって主観的に実現されれば、相手方は行為者の商人資格およびその行為の付属的商行為性を主張でき、また開業行為による営業の意思が相手方に認識され、また認識されるべき場合には、行為者も相手方に自らの商人資格およびその行為の付属的商行為性を主張できるものとし、さらに503条によって、商人であることが一般に認識されうる段階になれば、その者の行為には付属的商行為の推定が働くと考えるべきである。


したがって事案において、Aが友達に自らの開業準備行為によって自らの行為は商行為となったと主張するには、相手がそれを認識されるべき状況にあったことを証明しなければならず、他方で友達は、Aの行為は開業行為であると認識ができなかったことを証明しなければ、自分の貸し付けたお金は消滅時効にかかってしまうことになる。また、Aの行為が一般に開業行為であると認識されるべき段階にあったならば、Aの金銭借入行為は付属的商行為であったとの推定が働くことになり、Aの借入金の返済債務は商事消滅時効にかかる。