抵当権 | 制限速度20~30km/h

抵当権

 さて、担保物権編もいよいよラストスパートで、いよいよ抵当権、頑張っていきましょうヽ(;´Д`)ノ


 まず、抵当権とは何か?抵当権とは、目的物である不動産の引渡しを受けずに、その不動産に優先的弁済権を確保する、約定担保物権のことです。一般的に、世間で用いられる抵当権に関する話題では、よく、「借金のカタにとられる」などという言葉が使われますが、要するにあの「カタ」というのが抵当のことです。


 基本的に抵当権の効力というのは、債務不履行の場合に、目的物を競売ににかけて、そこから生まれたお金から優先弁済を受けるという権利として重視されてきたのですが、近年では不動産の収益をもって弁済にあてることも重要視されるようになってきました。抵当権が質権と大きく異なる点は、抵当権は、抵当権設定者に、抵当権設定後も目的物を引き続き用益させることができるトコロです。つまりどういうことかというと、ある中小企業の社長さんが、お金がスッカラカンになっちゃったということで、東西銀行から自分の会社の工場をカタにして、借金をしたとします。質権であれば、不動産は質権者が自由に使用・収益できる(356条)となっていましたが、抵当権では、引き続きその工場の使用権や、そこから生じる収益権は社長さんに留保されたままとなりますので、これによって社長さんが経済的に利益をあげることで、債務の返済を容易にできるということになります。


 抵当権の性質としては、先に挙げた約定担保物権であることのほかに、いままで習ってきたように、担保物権であるならばほとんどこれがスタンダードであるといっていい諸性質である、付従性随伴性不可分性、そして物上代位性が認められます。また、抵当権の目的物は、すでにあげた不動産のほかに、地上権永小作権などにも設定できると、民法369に書かれています。


 さて、抵当権の設定に関してですが、抵当権の設定は、抵当権が約定担保物権であることからもわかるように、抵当権設定契約によってなされます。そして、抵当権では、ひとつの不動産にいくつもの抵当権の設定が成立します。これは373条にも書いてあるように、その複数の抵当権のうち、どの抵当権が優先するかというのは、登記の先後によって決まります。つまり、早い者勝ちというワケですね。また、この「ひとつの不動産にいくつもの抵当権の設定ができる」というのは、民法の最初のほうで習った、一物一権主義に反するんじゃないの?と疑問に思われる人もいるかもしれませんが、もともと一物一権主義というのは、ひとつの物権の客体は、一個の独立した単一のものであるというキマリゴトでしたね?つまりどういうことかといいますと、例えば一本の日本刀を例にとってみますと、鞘が私のもので、抜き身が私の友達のものという風にはできない、これが「独立した」という意味であり、日本刀500本に、まとめてひとつの所有権を設定できない、これが「単一の」という意味です。よって、ある不動産に抵当権を設定しようとする物権の主体としての人間がいくらいても、別にかまわないっていうことになります。


 次に、抵当権の効力が及ぶ目的物の範囲を検討するために、民法370条をみてゆきましょう。民法370条には、「抵当権は、抵当権の上に存する建物を除き、その目的物である不動産(以下、抵当不動産)という)に付加して一体となっている物に及ぶ」と書いてありますが、抵当権の上に存する建物を除き、とはどういうことなのでしょうか?これはつまり、建物には抵当権の効力が及ばず、土地にのみその効力が及ぶ、言うなれば、土地と建物は別個のものであるという含意をうかがうことができますね。また、後半の「不動産に付加して一体となっている物」とは何なのでしょうか?以下、付加一体物と呼ぶことにしますが、この付加一体物というのは、従物とは異なりますので覚えておいてください。従物とは、主物と不可分であり、互いにその機能を補い合っているものということは既に勉強したかと思いますが、不動産においては、例えばタタミや障子などが従物となります。対する付加一体物ですが、これには立木や庭石、獅子威しや網戸、ガラス戸などがそれにあたります。しかし通説では、付加一体物は従物を含む、とされており、ここらへんが曖昧で嫌ですねヽ(`Д´)ノプンプン。では、こうした付加一体物が、目的物から分離されて動産となった場合、抵当権の範囲は及ぶのでしょうか?もちろん、担保価値を維持するために、抵当権の効力は及びます。そもそも、いったん効力が及んでいた抵当権を、わざわざ失われるとする理由がありませんものね。


 さて、371条に移って参りましょう。「抵当権は、その担保する債権について不履行があったときは、その後に生じた抵当不動産の果実に及ぶ」、とありますが、これはどういうことなんでしょうか?ここで重要なのは、「その担保する債権について不履行があったときは」という部分で、これは「抵当権の実行が可能になる時期は、債務不履行後である」と言っていることと同じです。よって、債務不履行が行われる前には、抵当権設定者に収益を得させる必要性があるため、抵当不動産の果実に抵当権は及ばないということです。また、「果実」とは、天然果実も法定果実も含むので、覚えておいてください。天然果実とは何でしたか?リンゴや、鉱山から採掘される鉱石などのことでしたね。では、法定果実は?家賃、地代、利息などの、物の使用を対価として受け取る金銭その他の物ですよ。これからは用語チェックをバンバンしてゆくので、みなさんはそれをとことん利用して、知識をつけていってくださいね。


 質権が350条で、「留置権に関する規定を、質権にも準用する」と書いてあったように、抵当権も同じように372条で、「物上代位に関する規定は、抵当権にも準用する」と書いてあることから、抵当権には物上代位性がありまして、その存在意義には、2つの説があります。ひとつは、法定制度説。これは、物上代位というのは、目的物の消滅によって、その付従性によって抵当権も消滅してしまうことから、抵当権者を保護するための特別な制度であるという説で、これに対するは当然説です。当然説では、そもそも抵当権というのは、物の交換価値を把握する権利であるとされています。つまりどういうことかといいますと、交換価値が具体化した場合、価値代表物に抵当権の効力が及ぶのは当然であって、マリーアントワネット風に言えば、「お菓子を食べればいいじゃない」ということですな。抵当権を設定した建物がなくなったのなら、それと同じ価値があるものなら、当然なんでも弁済にあてて構わないじゃないか、というのが、当然説の主張なのです。


 じゃあ、物上代位の対象となるのはどのような目的物なのでしょうか。これは372条が準用している民法304条に明記されており、「(抵当権は)、その目的物の売却、賃料、滅失または損傷によって債務者が受けるべき金銭その他のブツに対しても行使することができる」とあります。賃料に関しては、これは371条の果実に関する規定から考えても、当然に抵当権の効力が及ぶと考えられますが、ここで考え方に争いがあるのは、滅失、または損傷によって債務者が受けるべき金銭というやつで、これは要するに損害賠償請求権や、保険金のことです。論点となっているのは後者の保険金であり、保険金を物上代位の対象とする肯定説に立てば、保険料と保険金は価値の差が非常に大きいものであるから、保険金は価値代表物ということができるということになり、否定説に立てば、保険金は純粋に保険料の対価であるとして、保険金が価値代表物であることを否定しています。私個人としては、とにかく抵当権者を保護する要請から、ここは肯定説に立つのが妥当なのではないかなと考えております(´Д`;)


 さらに304条の後半を読み込んでゆきたいかと思いますが、「ただし、先取特権者(抵当権者)は、その払い渡しまたは引渡しの前に差し押さえをしなければならない」とあります。まず差し押さえの意義に関してですが、これは物上代位法定制度説にたった場合と、物上代位当然説にたった場合によって、導き出される結論が異なります。まず、法定制度説にたった場合ですが、法定制度説にたつと、差し押さえは、他の債権者に先立つための対抗要件であるということになります。そもそも法定制度説というのは、目的物が毀損や滅失によって失われることによって、所有権者が受ける保険金などの金は、いわば抵当目的物の価値が変化したものであるとしており、そこから、所有権者だけが利益を得るのはダメだろうということで、物上代位という法定制度によって、抵当権者を保護しようという理屈になっているわけだけど、その抵当権者が複数いた場合などは、抵当権設定者は誰を優先して弁済すればいいのかわからないことになる、よって、差し押さえは他の債権者に先立つための要件となる、という論理構成が完成します。それに対して当然説にたつと、差し押さえは、価値代表物を特定するための要件に過ぎない、ということになります。なぜなら、物上代位が抵当権の性質から認められる当然の制度であるとするならば、物上代位に関して第三者に対抗する要件は、もとの抵当権の登記であると考えられるからです。


 次の論点、差し押さえは抵当権者自身がなす必要があるか、ということですが、これは法定制度説に立てば、先に書いたように、自ら為すことを要求されます。なぜなら、債務者が誰に弁済すればよいのか明らかにする必要があるからでしたね。そして、当然説にたてば、どうなりますか?自らする必要はないんでしたね。なぜなら、対抗要件は登記で十分だからです。また、差し押さえは他の債権者に先立ってする必要があるかということですが、これはないとするのが判例の立場です。言い換えれば、当然説の立場であるということが言うことができるわけですが、これは法定制度説でも言うことができないことはありません。法定制度説においては、差し押さえが対抗要件であることを重視していますが、抵当権にもともと備わっている優先弁済効と、抵当権による優先弁済効が登記によって公示されていることは債務者にとって十分な保障となり、物上代位をするにあたって、別段他の債権者に先立って登記をすることを必ずしも必要とはしないし、なによりそのような要件は条文にも明記されていないことからも、こうした結論を根拠付けることができるかと思います。


 さあ、次は抵当権の侵害に関してお話したいと思います。もちろん抵当権は物権である以上、抵当権が侵害された場合には、どうどうと物権的請求権を主張して構いません。その根拠は、抵当権には不可分性があるからです。また、物権的請求権とは何でしたか?返還請求権妨害排除請求権妨害予防請求権の3つでしたね。妨害排除請求権とは、例えば抵当権を設定している竹林から、勝手に高級タケノコをもってゆかれた場合、このバカ野郎やめろ!ということのできる権利でしたね。予防は、そんなことをしたらタダじゃあおかねえ!ということのできる権利でした。じゃあ、返還請求権は?これは、もっていかれた高級タケノコをカエセ!ということのできる権利でした。ただし、抵当権の要素として、占有はありましたか?ありませんでしたね。つまり「タケノコ返せ!」というのは、抵当権設定者の下への返還請求しかできないのであって、抵当権者の下への返還はできないので、これはしっかりと覚えておかなくちゃなりませんね(。・ω・)ノ゙


 他に抵当権を侵害されたときの対策として、民法709条にある、不法行為に基づく損害賠償請求がありますが、条文を参照していただけたらわかるように、損害賠償請求は、損害が発生していないかぎり請求はできないので注意してください。そんなの当たり前じゃないか、と思われるかもしれないので、いちおう説明しておきますが、それじゃあ、敵(笑)によって、抵当目的物である不動産に対して投石された結果、窓ガラスが割れた場合、不法行為に基づく損害賠償はできるのでしょうか?普通に考えれば、できますね。それでは「できる」と思った人に質問です。抵当目的物の価値が1000万で、被担保債権が800万だった場合はどうでしょうか?ちなみに窓ガラスは20万しますよ。どうでしょうか?できますでしょうか。答えは、不法行為に基づく損害賠償請求はできません。なぜなら、元の抵当目的物の価値が1000万で、損害は20万、差し引き980万だから、その差額が被担保債権額である800万を下回らない限り、敵に対して妨害排除請求はできこそすれ、抵当権者は十分な弁済を受けられることから、不法行為に基づく損害賠償請求はできないということになっております。これを説明できれば、なんかデキる人って感じですよね(;´ω`)ノ


 さて、次に抵当権の行使についてお話を続けたいと思います。民法304条にもあったように、抵当権を行使すると、目的物の競売手続きによって目的物を売却し、その売却代金から優先弁済を受けることになり、そして374条にもあるように、その優先権は、抵当権の順位に従います。ただし、次の375条にもあるように、利息その他の定期金にかかる抵当権は、満期となった最後の2年分しか請求できないのでこれはできたら覚えておくことです。


 ここからは388条の説明になりますが、これによると、「土地及びその上に存する建物が同一の所有者に属する場合において、その土地または建物につき抵当権が設定され、その実行により所有者を異にするに至った時は、その建物について、地上権が設定されたものとみなす」、とあります。なぜこのような制度が必要なのかといいますと、例えば同一の所有者が所有する建物と土地の両方、もしくは一方に抵当権を設定したとしますね。しかし抵当権の実行により、その土地と建物で、それぞれ所有者が別々となってしまった場合、どうなるでしょうか?このままでは、建物の所有者が、自らの建物を利用することは出来ませんね。というのは、建物は土地に立っているため、建物を利用する場合、どうしても土地を利用しなければならないという事情があるからです。建物の所有者に、建物の利用権がない、こんな社会経済上の損失はあってはならないということで考え出されたのが、建物存立のために法定地上権を設定すればいいじゃないかという必殺技です。


 例えば私が自分の建物と土地に抵当権を設定したとして、抵当権者であるAさんが私の家を競売にかけて、建物の所有者がBさんになったとします。しかし、あいかわらず土地の所有権は私のものなので、Bさんはいつまでたっても建物を利用することができません。よってBさんは、私との間で強制的に地上権を設定したということにして、Bさんは晴れて建物を利用することができるようになります。これは、土地と建物が別々の不動産であるとされることから起こる問題だといえますね。また、原則として抵当権設定者である私が、自己借地権を設定することはできないので、そこのところは注意しておいたほうがよさそうです。この、競売の結果、土地と建物の所有者が別々になってしまったこと、というのが、法定地上権成立の第一の要件です。


 さらに、法定地上権の成立要件を列挙していきたいかと思いますが、もうひとつの要件として、抵当権設定当時に建物が存在していることと、さらにもうひとつの要件として、抵当権設定当時に、同一人物が土地と建物を所有していることが必要とされています。まず、第ニの要件ですが、例えば私が、1000万円の価値がある更地を所有していた時のことを考えます。更地とは、その上に建物が建てられていない土地のことで、一般的に更地のほうが、建物の建てられている土地よりも取引価格が高いわけですが、そんな土地に建物を建立することによって、その建物に対する地上権と、底地の2つに権利が分かれてしまいます。底地とは、借地権のついた土地の所有権のことで、だいたい地上権が600万、底地が100万くらいになってしまうんでしょうか。つまり、抵当権が設定された後に建物がつくられても、抵当権者にはいいことはひとつもないということで、抵当権設定後に建てられた建物には、法定地上権は設定されません。


 第三の要件に関しては、例えばもともと土地と建物に別々の所有者がいた場合建物に土地利用権がついているから、新たに抵当権を設定しても、その権利を存続することで、いちいち地上権を発生させる必要はなくなるというわけです。土地・建物、いずれに抵当権を設定しても、地上権は不成立というのが判例。しかし、抵当権設定当時に同一の人物が土地と建物を所有していた場合を考えてみると、例えば私が自分の土地と建物抵当権を設定し、その後競売によって所有権が、それぞれ建物がBさん、土地がCさんに移転してしまった場合、普通にBさんはCさんに「出て行け」といわれてしまいますね。これじゃあダメだということで、法定地上権が発生します。じゃあ、抵当権が設定された後に、所有者が異なってしまった場合はどうでしょうか?土地利用権は抵当権には対抗できないので、法定地上権を発生させる必要があります。ではでは、さらにひねって、一番抵当権設定当時に土地と建物が別人所有で、二番抵当権設定当時に、同一人所有で、抵当権が建物に設定された場合はどうでしょうか?この場合、判例では、法定地上権を設定させるとなっております。では、こういう場合はどうでしょうか。私が法定地上権の成立している建物を所有しており、土地はBさんが抵当権を設定しています。そこで私は、競売によってBさんの抵当目的物である土地を購入することによって、建物と土地の両方を取得することとなるわけですが、その場合、法定地上権を成立させる必要があるのでしょうか?答えは、土地利用権は抵当権に優先し、法定地上権は消滅しません。では、土地利用権が抵当権に対抗できないのは、どういう場合でしたか?抵当権が設定された後に、所有者が異なってしまった場合でしたね。この場合、法定地上権を成立させるというのが判例の立場でした。ああ、なんてややこしいんだ・°・(ノД`)・°・


 さて、次に説明する明渡猶予の制度で、抵当権編も大詰め。ここでは395条1項2項を前文引用することにします(`・ω・´)

 

第395条 1項

 抵当権者に対抗することができない賃貸借により抵当権の目的である建物の使用又は収益をする者であって次に掲げるもの(次項において「抵当建物使用者」という。)は、その建物の競売における買受人の買受けの時から6箇月を経過するまでは、その建物を買受人に引き渡すことを要しない。

1.競売手続の開始前から使用又は収益をする者
2.強制管理又は担保不動産収益執行の管理人が競売手続の開始後にした賃貸借により使用又は収益をする者


第395条 2項 
 前項の規定は、買受人の買受けの時より後に同項の建物の使用をしたことの対価について、買受人が抵当建物使用者に対し相当の期間を定めてその1箇月分以上の支払の催告をし、その相当の期間内に履行がない場合には、適用しない。


 

 この条文の趣旨は、ヒトコトで言えば抵当権者と賃借人の利益調整です。例えば、今年で私も大学生だーなんて喜んで、下宿を探しているとして、やっとのことで学校にも比較的近くて家賃も安い物権を見つけたとします。それでもって、大家さんとも賃貸契約を結び、いよいよ大学生活がスタート。大学生活も1ヶ月が経った頃、ある日いきなり大家さんがこう言ってきます。「ごめん、ウチ、金がなくなって、このアパートを抵当に入れてたんだ。昨日、2000万で競売されて、新たに所有者の人がこのアパート所有することになって、あたしもアンタたちがかわいいから、その人に頼み込んだんだけど、俺は高卒だから大学生が嫌いだといってきかないの。だから、ゴメンだけど、このアパート出て行ってくんない?」と。こんな理不尽な話ってありますか?だから民法395条は、競売が行われてからも六ヶ月を経過するまでは、建物を買受人に明け渡す必要はないんだ、ということを言ってくれているわけです。

 

 この条文はとても素直なので、特に説明はいらないかと思いますが、ひとつ、1項2号で、「強制管理又は担保不動産収益執行の管理人が競売手続の開始後にした賃貸借により使用又は収益をする者」と規定しているのはなぜなのでしょうか?それは、例えば「俺は既に1年分を前払いしてるんだ!」とか言って、アパートを出て行かないような住人の主張を封じるためです。それと、1号で「競売手続の開始前から使用又は収益をする者」と定められていますが、それでは競売手続きの開始後から使用または収益をする者に関してはどうなのでしょうか?もちろん、そんな人は保護されませんね(。・ε・。) また、2項ですが、いくら競売手続きの開始前から使用又は収益をする者、と定められているからといって、ちゃーんと家賃を払わないと、そりゃ出て行けって言われてもしかたないからねっていうことが書いてあります。

 

 ラスト!(ノ´▽`)ノォォォ!抵当権の消滅原因について。これは、いままでさんざんやってきた競売、火災などによる目的物の滅失、他には不従性による債権消滅などなど、いろんなものがありますが、覚えておくべきは、消滅時効にかかった場合です。消滅時効は何年でしたか?債権10年、それ以外の財産権は20年(所有権を除く)でしたね。ただし抵当権が消滅時効にかかるのは、抵当権のついた目的物を譲り受けた場合のみで、自分で抵当権を設定した場合は、消滅時効にはかからないので、当たり前のようですが注意してください。また、抵当目的物が時効取得されることによっても、抵当権は消滅します。あと、民法396条は、「抵当権は、抵当権設定者と債権者との間では、抵当権だけが独立して消滅せず、その担保する債権と同時でなければ、消滅時効にかからない」ということを書いてあります。例えば私がAに100万円を貸し、Cから建物を抵当にとったとして、この場合、100万の債権と建物の抵当権は同時に消滅するので、債権が時効にかかったときだけ、抵当権も時効にかかるというわけですね。

 

 はい、これにて抵当権は終了です(*^ー^)ノ いままでやったなかで、イチバン長くてややこしかったんじゃないでしょうか。みなさま、本当にお疲れ様です。情報量が多かったので、またヒマがあったらもう一度読み直すなんかして、知識をより強固なものにしてくださいね。さすがに私も今回は、恒例の山田さんなんかを例に用いる余裕がないくらい、書くことがたくさんあってタイヘンでした。次回は、非典型担保です。それでは、また会いましょう。ごきげんよう~(・ω・)/