明認方法 | 制限速度20~30km/h

明認方法

世の中に現存するものは普く動産と不動産に分けることができますが、その二つの区分だけでは取引の際に困難が生じる場合があります。例えば林業なんてどうでしょうか?私が秋田にある山を所有しているとして、そこに生えている杉をある建築業者に売りたいとします。しかし前にも勉強したように、土地の定着物は不動産であるため、所有権の移転を示す公示手段としては登記しかないことになってしまいます。しかし私が建築業者に登記を移転してしまうと、杉どころか土地まで持っていかれてしまうという困ったことになると。


そこで、明認方法というものが考え出されました。これは第三者に対して対抗力を有します。具体的には、杉の木ひとつひとつに墨で「これは俺の木です」とか「○○建設所有」などと書いたり、立て札をしたりすることで、この杉は自分のものですという表示をすることです。杉が二重に譲渡された場合などは、明認方法を備えたものが勝ちますね。ただし、水性ペンで書いていたせいで表示が消失してしまった場合は、明認方法の効力も消滅してしまうので注意が必要です。


また、明認方法は取引の客体が土地と関係の無い定着物である場合にのみ使えます。つまり、土地と定着物がセットで取引される場合、明認方法のみを備えたAと、登記を備えたBとでは、Bのほうが保護されるというわけですね。