こんばんは
今日は夜勤明けです。
1人の患者さんがそろそろお看取り…
の段階に入っていて
夜勤中かもしくは日勤に代わってから…かな
という状態でした
その患者さん(Oさん)は
とても楽しくてお気遣いの出来る方で
そして何よりご家族に愛されている方でした
毎日必ずご家族が面会にいらして
この夜勤中も
お姉さん、お嫁さん、長女さん、長男さん、旦那さんと3時間毎に交代して付き添っておられました。
Oさんはホスピスに入院して2ヶ月足らず…
私達がお部屋に行く度に
「時間大丈夫?忙しいんじゃないの?」
って
必ず聞いてくれる方
「Oさんも患者さんなんですよ」
って
返しながら
よく笑いあいました
医療用麻薬も最大量飲まれていて
入院してから病態も安定して
穏やかな日々を過ごしていました
いつも笑顔で
楽しいお話をたくさん聞かせてくれて
ご家族のこと
街のこと
そして大好きなサザンオールスターズのこと
「よくライブに行ったのよ。一回ね完全に背中側の席になってね、見えないじゃんと思ったんだけど、曲が始まったと同時に一斉にみんなが横の方に移動するわけ。だから見えたのよちゃんと」って
満面の笑みでお話していて
とにかくおしゃべり大好き
だけど明るい反面
気は小さい方なのよって言ってたなぁ
辛いって言葉も殆んど出さなかった
5月に入ってすぐ
病態が悪化して
痛い、苦しい、という言葉が聞かれ始め
緩和ケアも強化
だけど
この緩和がなかなか難しくて
お薬がやはり効きづらい
私達からしてみたら
緩和がうまくいかなかった
それでも
医師と連携して出来る限りのケアを行って
この夜勤中は
私の話す言葉に小さく頷いて
殆んどを眠って過ごされていた
もう意識は殆んど遠退いている
そんな中で
お薬を使うために少し腕に触れた時
「もうやだ」「いじわる」と小さな声が聞こえた
「え?私に言ってますか?」と聞くと
「そう。」と
しんどい時に体に触れられたくないですよね
お薬を使う時に腕を触られたり
オムツが汚れて取り替える時や
麻薬や鎮静の座薬を使う時に体を横に向けたり…
やめてくれって思いますよね…
それでも
いつもありがとうの言葉だけだったのに
「いじわる」だなんて
「Oさん、やっと本音で話せましたね。」
と2人で静かに笑いあった
きっとこの2ヶ月の間
弱いところを見せないように
ご家族を心配させないように
私達に迷惑をかけないように
頑張っていたから
私達は気付いていましたよ
だから
そうやって
「いじわる」って言ってもらえて
嬉しかった
私の夜勤中はお変わりなく過ごし
日勤の看護師に引き継ぎ
お昼頃にご逝去されたとのこと
最期は遠方からいらしたお孫さんも間に合って
ご家族皆に看取られ
そして日勤帯だったので
スタッフも多く
たくさんの人に見守られながら
きっとOさんは寂しがり屋だから
その時間を選んだんだろうな
Oさんに対して
私はもっと出来たことがあったと思っていて
ごめんね…という気持ちがある
楽しく穏やかに過ごせた2ヶ月
最期少し苦しんでしまった…
ここに来て幸せだっただろうか
もっと私達にできたことがあったよね
それが何かも私はもう気付いていて
足りなかったものを
次に活かさなければいけないことも
人生の最期に携わる仕事は
やっぱり大変だな
今日は考えてしまう
救急で命を救う仕事の方が大変だと
どこかで思っていて
今日は
実は救う方が楽かもなんて思ってしまった
救わなければいけない命を
懸命に救う方が
その先に希望があって
ゴールがあって
ホスピスは
その人その人で違って
ある人にとってはいいことも
他の人にとったら違って
ある人にとっては大事なことも
他の人にとったら違って
必ずしも同じ目的やゴールなんてなくて
だから
とても難しい
救急が楽だとかしんどいとか
ホスピスが楽だとかしんどいとか
比べるものではないのにね
私がまだまだ勉強不足、力不足
たくさんの人の人生に寄り添って
最期に寄り添って
人生の最期が穏やかであるように
私が出来ることを増やしていかないと
Oさんが言ってくれた
ありがとうの言葉も
いじわるって言った本音も
この先
私の力になる
きっと