皆さん、「13日の金曜日」の事はご存知ですよね。そう、一般的には、何か「不吉」な日と呼ばれていますね。占いなんかでも出てきそうな事柄です。でも、これ、ホントのところはどうなんでしょうか?そもそもいつから始まったのか?この点、以前疑問に思ったので調べた事があります…

 

 その一が、キリスト処刑日説です。ゴルゴタの丘で、イエス様が十字架に架けられた日が13日の金曜日という説です。ですが、今日この説は完全否定されています。聖書にも書いて無いですし、色々な学者の研究で、この日が13日の金曜日であったかは分からないというのが定説です。じゃ、誰が言い出したのかと言いたいモノですが、キリスト教世界の一説では、イエス様と12人の直弟子達(使徒)を足すと13になるので発生したのでは、とも言われています。

 その二、不吉な数字/曜日についてのバラツキ。例えば、イタリア🇮🇹では、不吉な数字は17とされています。13ではありません。なので、17日の金曜日が不吉な日だそうです。また、スペイン🇪🇸では、13は不吉数なのですが、曜日が違って、「13日の火曜日」が不吉な日とされているようです。

 また、13という数字を忌む思想は、北欧神話にも登場します。12人の神々が祝宴していた時、13人目に悪戯好きの神が乱入。他の神を唆し、殺害事件を引き起こすといった事が記してあるようです…この様に諸説ある様ですが、特にこれと言った特定理由、原因は見つかりませんでした。ただ、一つだけ、「これは…!」というのを見つけましたが…

それが、1307年10月13日金曜日に起きた、「テンプル騎士団虐殺事件」です…

テンプル騎士団の紋章🔱

 

 1307年10月13日金曜日、フランス🇫🇷で起きたテンプル騎士団事件は西洋歴史上の事実です。で、これは、私的には、とても納得のいかない事件です。いわゆる「善人」の悲劇です。まるで、旧約のヨブ記の様な…

 

もともと、テンプル騎士団というのは、当時のキリスト教修道士達の集まりでした。で、何で騎士団なのかというと、これまた当時が十字軍派遣の時期だったからです。彼等は、修道士であり、同時に騎士でもあった訳です。いわば、戦う聖職者とでも言いますか…日本でいえば、戦国時代の比叡山の僧兵みたいなものかもしれません。もちろん彼等自身も聖地エルサレムへ行く者もいましたが、もう一方で、彼等は戦場へ行く貴族王族達の財産を預かる仕事もしていたんです。やはり、お金を預ける訳ですから、信頼できる相手を選んでいた様です。何と言っても神に仕える人達なので、使い込み、横領なんかあり得ないですしね…そうして集めた財の一部で彼等は、融資活動等も行い、手数料を取り、更に財を増やして行きました。また、現在の手形、普通預金の原型もこの当時彼等が発明したのだそうです。そう、彼等テンプル騎士団こそ、現在の銀行業、金融業のはしりだったんです。こうして、いわゆる「テンプル騎士団銀行」はその富を増やし、今でいうGAFAの様な巨大金融組織となってしまいました。そして、遂には当時のフランス王家🇫🇷の財力をも凌いでしまったのです。凌ぐどころか、当時財政が厳しくなったフランス王家に財政支援までしています。更に修道士としての一面を持つ彼等は、当時貧しい人々の為にいわゆるボランティア活動や、救済事業等も行っていた様で、そうした事から、一般庶民からも大きな信頼と絶大な人気も得ていた様です…いわば、当時のヨーロッパでのヒーロー的存在だった訳です。誰もが憧れる様な…

 

 

 

 しかし、こうなると面白く無いのがフランス王家でした。当時の王様フィリップ4世は、長引く借金財政のせいで頭がおかしくなったのか、1306年に、国内のユダヤ人(富裕層)の財産を一方的に没収、翌年1307年10月13日金曜日には、ナントかのテンプル

騎士団を大量虐殺、騎士団の全財産を没収という、史上稀なる大暴挙に出たのでした…

 寝耳に水の騎士団メンバー達は、フランスから他国へ逃れようとしました。先ずはイングランド🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿。ここを目指しましたが、実はここには既にフランス王家🇫🇷から手が回されており、入って来たメンバー達は捕らえられ、処刑されました。そこで、彼等が目指したのは、当時フランス王家と仲が悪かったスコットランド🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿でした。僅かに生き残ったテンプル騎士団のメンバー家族達は、その後ここを安住の地とする事になります。なので、今でもスコットランド地方にはテンプル騎士団の末裔達が住んでいるんです…

 この辺の事は、ハリウッド映画「ダビンチコード」で、主役のトムハンクス演じる、ロバートラングラン教授が作中で詳しく述べています。興味ある方は、一見お薦めです…

 

 

いずれにしても、「13日の金曜日」の悪夢は、私的にはこの悲劇です…ある日突然善人のもとに舞い降りる不条理、災難です。考えてみれば、仏王フィリップ4世は彼等から借金を重ね身の狭い事だったでしょう。でもそれは王としてのリーダーとしての彼自身の責任です。騎士団メンバーは悪くありません。また、国民からの人気を彼等が博したのは、いわば彼等の努力の賜物です。神の御恵みであります。一説によれば、フィリップ王はそんな彼等に嫉妬心を燃やしていたとも言われています…こうなるともう「創世記」第4章の世界です…カインとアベル。聖書でいう、「人類史上初の殺人」の話の再来です。そう考えると、歴史は繰り返すというか、聖書って、預言の書ではなく、まさに予言の書なのかとも思えます…