未来
わたしの親友の未来🐈
未来と書いてミクと読む。
名前の通りわたしに未来をくれた猫。
葛藤、苦しみ、寂しさをこの子は助けてくれた。
(写真は5年生くらいのもの)
出会ったのは小学校1年生の時。
痩せてボロボロで今にも死んでしまいそうな体つき。
学校の帰り道、私たち子どもの声が聞こえたのか、小さな体でかすれた声を振り絞って鳴きながら、草むらから道に出てきた。
一緒に帰っていたみんなで
可愛いね〜
可哀想だね〜
なんて言いながら撫でていた。
このままだと死んじゃうね。
誰か連れて帰れない?
と話し合ったけど、
周りの友達はみんな親がダメと言う、と言って帰ろうとしている。
わたしの家も父親が動物は飼っちゃダメ🙅♂️と、昔からキツく言っていたので正直難しかった。
でも、どうしてもこんなに一生懸命生きている子を置いていけなかった。
そして幼いながら、わたしの父親だから誠意をちゃんと伝えれば伝わる人なはず!と思い、連れて帰った。
ボロボロだけど綺麗な目と優しい顔立ち。
美しいなぁ〜と眺めながら、撫でながら、きっとわかってもらえるから大丈夫だよと伝えながら、お家に帰った。
まだ一年生だったので、父親が帰ってくるまで時間がある。
まずは母親に子猫を見せた。
お家にあるものでこの子が食べられるものがミルクしかなかったので、それをあげて、美味しそうに飲んでいる子猫を見ながら、飼いたいことを伝えた。
母「お父さんにダメと言われているでしょう?」
わかってはいたが、やっぱり言われてしまった。。。
そして、その日はピアノの習い事の日。
『このままだと、この子と一緒にいられない。』
こんなに小さいのに…
わたしは母に、ピアノのレッスンを休みたいと伝えるが、許しはてくれなかった。
子どもで何もできない自分に腹が立った。
しかし母から優しい案が。
『ピアノから帰ってきても、この子が庭で待っていたら、一緒にお父さんにお願いしてみよう。』
嬉しかった!
ピアノのレッスンは上の空で、あの子が庭にいますようにと、時が進むのを早めよという、2つの願いを神様にしまくっていました。笑
帰ってきてたら外は真っ暗、すぐにあの子猫を叫びながら探した。
いない…
いない…
あんな小さい子、野犬に食べられちゃってたらどうしよう。(当時はまだたまに野犬がいました)
蛇に丸飲みされてたらどうしよう。
泣きべそをかきながら名前のない子猫を呼びました。
当時のわたしは長く感じていたけど、きっと1分か2分くらいで、「ミャー」と暗闇からヨタヨタしながら近づいてくる子が!
嬉しかった!
すぐに抱き寄せて、たくさん撫でて、たくさんありがとうを伝えた。
その後、父親に正座で飼うことをお願いをして、何個か質問をされたり、生き物を飼うことの大変さや、約束事などを聞いて、家の中では飼えなかったけれど、庭で飼うことを許してもらえた。
本当に嬉しかった。
次の日、子猫の名前は何がいいか考えて、出てきた文字が『未来』
男の子だったので、読み方はミクにした。
彼はわたしの大変だった小学校生活を救い続けてくれた。
学校の帰り道は毎日迎えにきてくれて、一緒に帰った。
お話を聞いてくれたり、いっしょに遊んでくれた。
もちろん紐など何もつけず、背中におんぶしたらそのまま乗っている子だった。
わたしが家にいる時間は、いつも側にいてくれた。
ある日、未来が近所の外猫と喧嘩をして、怪我をしたときに病院に連れて行ったら、人間のようにわたしの首に手を回して抱っこから離れず、治療をしてもらった時には、獣医さんに「こんなに猫ちゃんと信頼関係がある光景は見たことない」と言われるくらい、仲良しだった。
わたしは未来がいたから幼少期を乗り越えられた。
わたしの未来を作ってくれたお友達の未来。
彼はわたしの心を守り、救ってくれたヒーロー。
癒しと勇氣を与えるアーティスト🌸
湖霧晴