○戦後の歌唱Ⅱ(中央公論社)
長崎の鐘(作詞 サトウ・ハチロー 作曲 古関裕而)
こよなく晴れた 青空を
悲しと思う せつなさよ
うねりの波の 人の世に
はかなく生きる 野の花よ
なぐさめ はげまし 長崎の
ああ 長崎の鐘が鳴る
召されて妻は 天国へ
別れてひとり 旅立ちぬ
かたみにのこる ロザリオの
鎖に白き わが涙
なぐさめ はげまし 長崎の
ああ 長崎の鐘が鳴る
つぶやく雨の ミサの声
たたえる風の 神の歌
かがやく胸の 十字架に
ほほえむ海の 雲の色
なぐさめ はげまし 長崎の
ああ 長崎の鐘が鳴る
こころの罪を うちあけて
ふけゆく夜の 月すみぬ
貧しき家の 柱にも
気高く白き マリア様
なぐさめ はげまし 長崎の
ああ 長崎の鐘が鳴る
白い花の咲く頃(作詞 寺尾智沙 作曲 田村しげる)
白い花が咲いてた
ふるさとの とおい夢の日
さよなら といったら
だまって うつむいてた お下げ髪
かなしかった あの時の
あの白い花だよ
白い雲が浮いていた
ふるさとの 高いあの峰
さよなら といったら
こだまが さよならと 呼んでいた
さみしかった あの時の
あの白い雲だよ
白い月が泣いてた
ふるさとの 丘の木立に
さよなら といったら
涙の 眸でじっと みつめてた
かなしかった あの時の
あの白い月だよ
花の街(作詞 江間章子 作曲 団玖麿)
七色の谷を越えて 流れていく
風のリボン 輪になって
輪になって かけていったよ
春よ春よと かけていったよ
美しい海を見たよ あふれていた
花の街よ 輪になって
輪になって 踊っていたよ
春よ春よと 踊っていたよ
すみれ色した窓で 泣いていたよ
街のかどで 輪になって
輪になって 春の夕暮れ
ひとりさびしく 泣いていたよ
さくら貝の歌(作詞 土屋花清 作曲 八洲秀章)
うるわしき 桜貝ひとつ
去りゆける 君に捧げん
この貝は 去年の浜辺に
われひとり 拾いし貝よ
ほのぼのと うす紅染むるは
わが燃ゆる さみし血潮よ
はろばろと かようかおりは
君恋うる 胸のさざなみ
ああ なれどわが思いは儚く
うつし世のなぎさに果てぬ
原爆許すまじ(作詞 浅田石二 作曲 木下航二)
ふるさとの街やかれ
身よりの骨うめし焼土に
今は白い花咲く
ああ許すまじ原爆を
三度許すまじ原爆を
われらの街に
ふるさとの海荒れて
黒き雨喜びの日はなく
今は船に人もなし
ああ許すまじ原爆を
三度許すまじ原爆を
われらの海に
ふるさとの空重く
黒き雲今日も大地おおい
今は空に陽もささず
ああ許すまじ原爆を
三度許すまじ原爆を
われらの空に
はらからの絶え間なき
労働に築きあぐ富と幸
今はすべてついえ去らん
ああ許すまじ原爆を
三度許すまじ原爆を
世界のうえに
母さんの歌(作詞・作曲 窪田聡)
母さんが夜なべをして
手袋あんでくれた
木枯らし吹いちゃ 冷たかろうと
せっせと編んだだよ
故郷の便りはとどく
囲炉裏のにおいがした
母さんが麻糸つむぐ
一日つむぐ
お父は土間でわら打ち仕事
お前もがんばれよ
故郷の冬はさびしい
せめてラジオ聞かせたい
母さんのあかぎれ痛い
生味噌をすりこむ
根雪もとけりゃ もうすぐ春だで
畠が待ってるよ
小川のせせらぎが聞える
懐かしさがしみとおる
手のひらを太陽に(作詞 やなせ・たかし 作曲 いずみ・たく)
ぼくらはみんな生きている
生きているから うたうんだ
ぼくらはみんな生きている
生きているから 悲しいんだ
手のひらを太陽に すかしてみれば
まっかに流れる ぼくの血潮
みみずだって おけらだって あめんぼだって
みんなみんな 生きているんだ
ともだちなんだ
ぼくらはみんな生きている
生きているから わらうんだ
ぼくらはみんな生きている
生きているから うれしいんだ
手のひらを太陽に すかしてみれば
まっかに流れる ぼくの血潮
とんぼだって かえるだって みつばちだって
みんなみんな 生きているんだ
ともだちなんだ
夜明けの冬(作詞 岩谷時子 作曲 いずみ・たく)
夜明けのうたよ
わたしの心の きのうの悲しみ
夜明けのうたよ
わたしの心に 若い力を
みたしておくれ
夜明けのうたよ
わたしの心の あふれる想いを
わかっておくれ
夜明けのうたよ
わたしの心に 大きな望みを
抱かせておくれ
夜明けのうたよ
わたしの心の 小さな僥せ
守っておくれ
夜明けのうたよ
わたしの心に 思いださせて
ふるさとのこと
おもちゃのチャチャチャ(作詞 野坂昭如 作曲 越部信義)
おもちゃのチャチャチャ
おもちゃのチャチャチャ
チャチャチャ おもちゃのチャチャチャ
空にキラキラ お星様
みんなすやすや 眠るころ
おもちゃは箱を とびだして
おどるおもちゃの チャチャチャ
きょうはおもちゃの お祭りだ
みんな楽しく うたいましょう
子羊メーメー 子猫はニャー
子豚ブースカ チャチャチャ
空にさよなら お星さま
窓にお日さま こんにちは
おもちゃは帰る おもちゃ箱
そして眠るよ チャチャチャ
おもちゃのチャチャチャ
おもちゃのチャチャチャ
チャチャチャ おもちゃのチャチャチャ
ばらが咲いた(作詞・作曲 浜口庫之助)
ばらが咲いた ばらが咲いた
真赤なばらが
さびしかった ぼくの庭に
ばらが咲いた
たったひとつ 咲いたばら
小さなばらが
さびしかった ぼくの庭が
あかるくなった
ばらよばらよ 小さなばら
そのままで そこに咲いておくれ
ばらが咲いた ばらが咲いた
真赤なばらが
さびしかった ぼくの庭に
ばらが咲いた
ばらが散った ばらが散った
いつのまにか
ぼくの庭は まえのように
さびしくなった
ぼくの庭の ばらは散って
しまったけれど
さびしかった ぼくの心に
ばらが咲いた
ばらよばらよ 心のばら
いつまでも ここで咲いてておくれ
ばらが咲いた ばらが咲いた
ぼくの心に
いつまでも 散らない
真赤なばらが