曙商事に新設された十二課(絵画取引部署)に採用された秋子はタクシーで出社途中。
道路は渋滞していて、ラジオでは兄弟子たちを殺したものの精神鑑定で無罪となった元力士が、遺族の訴えで再逮捕状が出たというニュースが流れている。
曙商事のエントランスで警備員の間宮に呼び止められた秋子は、身分証明書と写真(スナップ写真)を手渡した。
その背後には、今日から勤務の新人警備員の富士丸が車で到着する。
十二課で仕事を始めるものの、秋子以外の4人(久留米、野々村、吉岡、高田)は絵画には全くの素人だった。
その頃、警備員室では間宮に金を貸している同僚の白井が、間宮を競馬に誘い、金が返せないなら家の権利書などでもいいと脅迫する。
その場に現れた富士丸の巨体に「俺を脅す気か」と怯える白井。
翌朝、出勤しない白井を訝しむ間宮に富士丸は「ロッカーを開けてみろ」と言う。
ロッカーの扉の下の隙間から流れ出る血、中には折り畳まれた白井の死体、腰を抜かす間宮。
秋子が屋上カフェ?にいると、自分を採用してくれた人事部の兵藤が現れる。
兵藤はオークションで出品される絵画の値段が妥当かを秋子に聞き、十二課の他のメンバーたちをこき下ろして去っていく。
廊下を歩く秋子は、上司である久留米に呼び止められて別室へ。
秋子に歪んだ恋情を持つ久留米は「君はなにもしなくていい」と言ってズボンを脱いだので、秋子は驚いて部屋を飛び出した。
資料室に逃げこむものの、オートロックで閉じこめられた秋子は警備室に電話を入れる。
しかし、中々助けが来ずウトウトする秋子。目覚めると、奥の方からなにかを叩く音がする。
部屋の奥にあった裏口の扉が壊さんばかりに激しく叩かれ揺れていて、秋子はパニックになり着けていたイヤリングを落とす。入り口から逃げようとすると間宮が鍵を開けてくれた。
「新人の警備員だから鍵がわからなかった」と裏口の出来事を説明して、間宮が秋子を十二課に送ると、久留米に「彼女になにをした」と間宮は詰め寄られた。
警備員室に戻った間宮は、富士丸が秋子の写真を飾っていることに気づくが富士丸はすぐにそれを隠してしまった。
間宮はファイルの久留米の身分証明書の写真を見せ、「痛めつけるだけでいい」と富士丸に言う。
イヤリングをなくしたことに気づいた秋子は同僚から新人の警備員がイヤリングをしていたと聞かされて確認に行くと、そこには秋子のイヤリングをした富士丸の姿があった。
…なんだろう、女(一応)目線で観るとちょっと女が軽んじられている気がする。
1992年の作品。まだまだ女性が社会で活躍するには難しいご時世だから仕方ないけれど。
それにしても高田さんのくだりが…。
多分ロッカーごと折り畳まれる画を撮りたかったにしても、自ら鍵を開けて富士丸を追いかける…こんなことある?
錯乱していたとしてもちょっと萎えました。
最後もね、兵藤は妻子が駆けつけて抱擁。その後ろに歩いて階段を登る秋子が映る、なんやこれ。主役さながらにクローズアップされる兵藤に困惑。
富士丸はね…コート着てヒロインに襲いかかる姿を見て「キャンディマン」?って思いました。
この頃、ロングコート流行ってたよね、多分。