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伝えたい人、音にならない考え事

演劇、表現活動での色々。独りよがりだけど伝えたい、そんな支離滅裂。

3時間そこそこしか寝てないし朝方何度も目が覚めたから多分全然休まってないけど、なんか起きちゃった本番翌日。珍しく1日オフを作ったのに、なんか休まりきらん、変なテンション。


昨日、1年ぶりの主宰公演が終わりました。

ぶれえめん.らぼ『ジンセイゲーム』



写真、特に役者をモデルにしたポートレートから着想して作品にする、という企画。

思った以上に、変な公演になってしまった。というのが終わってみての1番の感想です。あんなに毎ステージ空気の違う芝居も初めて。みんながみんな、そのときどんな気持ちになるか自分自身にも分からないような状況で、全員が舞台に立っていたような気がする。演出としては駄目かもだけど、面白かったなあ。


整った綺麗な作品を作ることは私の第一目的にない。きっと1番は役者さんが楽しいためにやっていたくて、その演目を通していかに彼らを動かせるか、私自身がどんな気持ちになるかも含めて、ぶれえめん.らぼの実験。そういう意味では、今回はとてもぶれえめん.らぼらしい企画になったと思う。




琴音さんはぶれえめん.らぼメンバー。客演さんが気心知れたメンバーだったこともあって一緒にほやほやしてる時も多いから、「しっかりしてくれ」ってよく思う。丁度去年の12月公演でメンバーになってくれて、そろそろ1年。そんなこともあって、今回は明確に「主人公」という役割を当ててみたかった。琴音さんをメインに据えて作るのは、かなり最初から考えてた気がする。

約90分の舞台で、唯一出ずっぱり。琴音さんの長台詞に始まり、同じく琴音さんの長台詞で終わる。作中何度も「主人公」と呼ばれる分かりやすい主役。出会った頃から台詞覚えが苦手で、本番になると芝居が変わるタイプで、体調によってかなりムラもあったりして。稽古序盤、本人のTwitterでは台詞のことばっかり言ってたなあ。

大変だっただろうな、わざとだけど。役者に負担をかけるのが大好きな私は、諸々苦労するだろうなと分かってこの役割を振った。最初に戯曲を渡したときに慄いてたの、予想通りすぎて面白かったなあ。

気持ちに乗って芝居が変わるタイプだから、今回はそれをどんどん出して欲しかった。本人は安定しないことを気にしてるみたいだったけど、個人的にはその感じがむしろよかったから満足です。

あんまり載せてなかった気がするお気に入りの琴音さん。


本人が何を思ってるかは知らないけど、初めて、継続的に私と一緒にやりたいと言ってくれた人。単発解散のぶれえめん.らぼの中で、琴音さんがいてくれたことはやっぱり大きいんだよなあ。役者がメインだけど最近は事務的なことも少しずつやってくれるようになって。稽古場の雰囲気がどうのみたいな話も琴音さんの方から振ってくれるようになった。私が琴音さんに求めることは他の客演さんとは明らかに違うから。まあ一方的な願望なのでそうそう言葉にはしないけど。今回は、ぶれえめん.らぼの久遠琴音としてはかなり大きな公演だった気がする。そうだったらいいな。




最近知り合ったとは思えないくらい急速に仲良くなった(よね?)、こころさん。ふっと思いついて「あーそーぼー」で公演立ち上げるのに、最初に思いつくメンツの1人。

意識のベクトルがいつも外に向かっていて、優しいって言葉がチープに思えるくらい、素直に人を大切にできる人。稽古中もその他の時間も、いつだってみんなを楽しませようとしてくれてるんじゃないかってくらい。こっそり変顔してるらしいので、共演者は大変みたいだけど。

他人を大切にする人だから、そのせいで傷ついたり疲れちゃうんじゃないのかなって、私みたいな人間は考えてしまう。それが戯曲にも現れていたなと気づいたのは、実は千秋楽のこと。

こころさんの役は、琴音さん演じる主人公のために存在する「おんなのこ」。主人公のことが大切で、だから主人公のためにどうしたらいいか分かるけど、それで自分は傷ついちゃう、みたいな。愛してほしいのに自分の方が多く愛してしまうような気がして、それでも泣きたいのを抑えて笑う、みたいな。

私が好きなのは、こころさんがくれた道徳のエピソード。「嫌いな教科は、道徳。」「ごめんね、いいよのリズムが大嫌いでした」変な言い方だけど、そういうことを考える人なんだって、ちょっと安心?した。


あまりにも馴染んでるから冗談で「準レギュラー」なんて言ったりするけど、本当はまだまだ何度も一緒にやりたい。琴音さんや糸さんとも仲良しだから色々甘えたり待たせたり頼んだりしちゃうけど、本当は大切にしたいなと思う役者さんなのです。

役者としての芯もちゃんとあって、まともな現場もきっとたくさん知ってる人だから、今回は主宰であるこっちが気付かされることもあった。ごめんね、もっとちゃんとします、と。

こころさんには、私の現場ではずっと「楽しい」を感じていてほしいなと思う。もっと我々が成長したら、こころさんにとって1番のびのびできる団体になりたいなあ。とかなんとか思ってみたり。




奔放で突拍子もないけど、やっぱり最年長な糸さん。自分が出演しないときも、ぶれえめん.らぼにはなんだかんだ顔を出してくれる。それだけで私は嬉しい。

てか、出会ってからの年月だけで言ったら実は今回のメンバーの中では1番長いみたい(初めて一緒した公演Twitterで遡ったら懐かしくてうけた)。こんなに深く付き合うことになるとは、思ってもいませんでしたよ。

今回みたいな可愛くて飄々とした役はあんまり見たことがなくて、でもやってみたらすごいよくて。「こっちの方が得意なんだね〜」とか言った。

よくイントネーション迷子になる糸さん。でも大きな流れの上での音感はすごくいいなと思ってる。役者としての安定感は間違いなく今回の中で1番だったし、だからこそ他の役者陣が伸び伸びやれたんだと思う。普段は子供達に混ざってわちゃわちゃしてるけど、ふとしたところで支えになってくれてる人。糸さんと喋ってるとあんまり「やばい!」って気持ちにならない。「まあなんとかなるよ〜」みたいな。


糸さんはいつでも色んなことを楽しんでいるように見える。たまに気付いたら寝てる(潰れてる?)ときあるけど。自由人、というのかなああいうのは。やっぱり楽しそうに仕事する人は好きだなあ。それでいて実は回りが良く見えているから、他の役者さんのこととかで相談してみたり、戯曲とその解釈について意見もらったりすると、1番「ほ〜ん」となるのは糸さんだったなあ。

いつもほわほわ安定感のある糸さんは時々めっちゃ爆弾。

みんなで雑談とかしてるとあんまり話聞いてないときも多くて、「え⁈」みたいなことをよくぶっ込んでくる。大人なはずの糸さんがみんなから総ツッコミを食らう場面は、かなり面白い。変な人だ。

フッ軽ですぐ企画に乗ってきてくれるところも好き。また一緒にやるんだあ。



私が1番好きな写真。カメラを構えてる葵さんを見て、おとうさんにしようと思ったんだよなあ。

今だから言うけど、葵さんのことはちょっと心配してた。久しぶりの舞台だし、初めましての人もいるし、私も一緒するのは3年ぶり。なんとなくトラブルメーカーなイメージもありつつ。私からオファーしたんだけど、多分断られるだろうなと思ってた。それでもこの企画を思いついたときに、なんとなく葵さんが浮かんだんだ。

1番最初の撮影の日も、ちょっと遠くから女子たちを眺めてる感じがあって、居心地悪いのかなと思った。カメラを持つのも、手持ち無沙汰だったりしたのかな、とか。だから葵さんの写真は、カメラを構えてるものが多い。好きだけど、顔がしっかり写ってないんだ!わー!(←使いたい写真いっぱいあった人)

稽古序盤は、琴音さんみたいに「台詞がああああ!」ってなるわけでもなく、「え?え?」と戯曲を見てくれるわけでもなく、なんか淡々としてて自分の役割をやってます、みたいな感じが嫌だった。だってそれ私がぶれえめんでやりたいことじゃないもん。だったら他の、もっとちゃんとお芝居してる団体でいいもん。

もともと役者を困らせるのが大好きな私は、お父さんをチョコレートにし、ラストシーンの完成を待たせに待たせ、劇場入ってからも色々適当なことを言って、葵さんに揺さぶりをかけることに徹してみた。マジで性格悪すぎて嫌われたかと思った。


葵さんがよくやるやつ。本人がミスったり、私達が煽るとこうなる。人間っぽい。


私が意地悪しまくったラストシーン。作家という立場で出てくる私が葵さんに「また出てよ、僕の物語に」と言う。そこに返す台詞には選択肢があって「何度でも」と「二度と嫌だ」、どっちを言ってもいいよ、という作りになっていた。葵さんは稽古から劇場入って初日明けるまで、頑として「二度と嫌だ」を言わなかった。「絶対言わない」と言い張ってた。作家は私だから正直嬉しかったけど、それじゃあつまんないんだな。それからまた色々言って詰め込んで、本当は言いたくない「二度と嫌だ」をやっと引き出したり、また「何度でも」に戻そうとしたり。それが私のやりたいことだった。

「二度と嫌だ」を言いたくない理由に葵さんは「はるかさんの戯曲は自虐なんですよ」と言った。その言葉を嬉しいと思うのは変かも知れないけど、ずっと覚えておこうと思った。「久しぶりの舞台がはるかさんの現場でよかった」と何度も言ってたことも。だからってわけじゃないけど、今回葵さんに声かけて、葵さんが出てくれてよかったと思った。







雅漣さんの撮るこういう写真が好きだシリーズ。足元、手元、後ろ姿。
ぶっちゃけ、今回雅漣さんの1番大きな役割はみんなが集まった初日で終わってた。企画の出発点になる、大仕事。「あまり稽古場に行けない」と言う雅漣さんに「無理せず!」と返し、雅漣さんの存在を感じながら戯曲を書いて稽古をした。劇中でシャッターを切るのは登場人物たちだけど本当は全部雅漣さん。戯曲も、演出も、雅漣さんの存在が伝わるものになりたかった。
雅漣さんは、被写体を愛するのが上手いなと思う。Twitterに上げてくれていた稽古場潜入レポの文章然り、撮影のときの写真に添える言葉然り。私は、雅漣さんの言葉選びもすごく好きだったりする。
演劇の現場を稽古〜小屋入りまで見る機会はあんまりないと言っていた雅漣さん。ばたばたでゆるゆるなぶれえめんの現場はどう映ったんだろう。「これが普通じゃないんです!」とか言い訳しながら場当たりしてた気がする。楽しんでもらえてたらいいなあ。雅漣さんとは、またやりたいことがたくさんある気がするのです。



今回はなんだか、ぶれえめんっぽくてらぼっぽい時間だった。やっぱり私は参加してくれるみんなが笑ってくれたら後はどうでもよくって、そのスタンスはもうずっと変わらないんだろうなとか思って。だから今回は、私的には大成功。役者さんと雅漣さんに「楽しかった」と言ってもらえたら、それはもう私の勝ち。
かく言う私も、今回はなんだかやけに楽しくて。今年はお芝居の本数を減らしてたり役者の現場で嫌なことがあったりして怖かったりもしてたんだけど。なんか思い出した。お芝居って楽しかったね、と。それは私個人にとっても、この上なく有意義なことでした。

長くなったけど、たのしかった。またいつか。