伝えたい人、音にならない考え事 -2ページ目

伝えたい人、音にならない考え事

演劇、表現活動での色々。独りよがりだけど伝えたい、そんな支離滅裂。

意外にも「分かりやすかった」という感想が多かった可惜夜チーム。


本当は、1番トリッキーなチームのつもりで組んだのにな。役者陣も個性強めで、しかも慣れない役を振っていたりする。私自身もそう。そして囲み舞台、役者がどうこうというよりは、観ている最中に他のお客さんが見えるのってどうなんだろう、みたいな。それが分かりやすく仕上がったのは読みが違ったのか、役者陣の奮闘の成果か…?




しかし確かに、今思えばtwilightはバランス良かったのかなあ。

糸さんの銀は、ものすごく朝に寄っていた。直前に黄昏で朝をやってからの銀ということもあるなも知れない。しっかりしているけど、どこか幼さが強く残る。朝的には、何か言ったら一緒に盛り上がってくれそうな、親友っぽい安心感。だからかなあ。ラストシーンに向かっていく決意の重さ、落差は糸さんが飛び抜けて大きかったような気がする。本当は納得しきっていない感じとか。揺れが大きかったように思う。ひとつ、糸さんの銀だけが叫んで出した台詞があって、なるほどと思ったんだよなあ。うん、そりゃ叫ぶよね、みたいな。糸さんの解釈は想定外だと何度か書いているけれど、時々こういう場面があるから楽しくて仕方ない。すごく生き生きとした銀で、正面でやってて楽しかったんだ。

葵さんに影を振ったのは、読み合わせのとき色猫のほうにピンときたからだった。影の可能性としては未知数のまま、この役を渡してみた。結果、ずっと「分からない」と言っていたけど。常に張り詰めているような、全身に力が入っているような、ある意味では強いキャラクターになったんじゃないかと思う。これは当人同士にしか分からないんだろうけど、繋いだ手の強さが時々変わるのが面白かったな。本当に、先の先までちゃんとお芝居する人なんだと思った。葵さんは多分、憑依型だから。自分とかけ離れた役は、やりにくかったんじゃないだろうか。黒猫のときも書いたけど、目に力を入れたときの表情がすごく良くて、だからこそ笑顔になったときが際立つというか、その感じが好きなんだよなあ。




iになって加わるこの2人も、まあ色が強いこと強いこと。しかも2人とも迷って困って苦労していたから、可惜夜のiは余計にわちゃわちゃしたイメージだった。

こころさんのナルシスは、なんだかずっと儚かった。シーンひとつひとつの中で細かい揺らぎが大きくて、女性的というのか、柔らかいイメージ。私が想定していたナルシスとはかけ離れすぎていて、アリかナシかを判断するのに時間がかかって、それは申し訳なかったな。特に黒猫との回想シーンは苦労した印象。強さを出すって難しいね。こころさんのナルシスは、強く「あろうとする」ナルシス。やっぱり儚かった。苦労して苦労して、いい塩梅を探した気がする。でも、黒猫と色猫が両方ともメンズだったこともあって、最終的にはいいバランスになったと思う。こころさんは本人にも不思議な所があって、繊細な部分と大胆な部分がぴったり同居しているような、そんな印象を受けることがよくある。そんな本人の性質が、上手く影響した芝居になったんじゃないだろうか。

思いがけない方向にトリッキーだったのが、加藤さんの黒猫。水仙があまりにも得意分野だっただけに、もう一役は絶対に一筋縄ではいかないキャラクターをと思った。今だから白状するけど、これはほぼ勘。全く想像できないまま、黒猫を振った。だって思わなかったよ、まさかあの戯曲で笑いの芝居ができるポイントを見つけてくるなんて。他のシーンでは「分からない」を連呼していた加藤さんが、唯一生き生きやっていたシーン。ちなみに演出のオーダーは「全力で滑ってね」でした。加藤さんとは、演出対役者で対峙するのは初めて。始める前から「相性悪いだろうな」とは思っていた。実際、色々と迷わされました。他の役者さんとのバランスとか。でも今回で、少しだけ理解できた気もするんだよな。見たことない加藤さんもたくさん見た。振ってみたい役、めっちゃできた。また一緒に困ろうぜと思っている。

葵さんの大本命は、色猫。書いてる時は全く想定してなかったけど、読み合わせで確信した。これはハマるなあ、と。だけど意外にも、1番悩んでいるように見えたのも色猫だった。稽古序盤では、稽古場の隅で蹲っている所を何度か見た気がします。私は芝居の上手い下手はよく分からないけど。憑依型なのと、多分不器用なのもあって、自分の理想と実際のギャップに苦しめられているのかなというのはなんとなく分かった。自覚してるかどうかは分からないけど、葵さんには「ここは譲れない」みたいな部分がいくつもあって。それは芝居の理想から願掛けの類まで様々なんだけど、私はその話を聞くのが好きだったりして。なるべくなら全部舞台の上に乗せたいなあと思うわけです。今回みたいにじっくり作る企画もいいけど、ほとんどぶっつけで「えいやっ」と始める舞台にも、いつか誘ってみようかなあ。突発的に生まれる音や表情を見てみたい気がした。


意外にも相性の良かった、可惜夜のよる水仙。語り手聞き手という役割でなく、物語の中に自然に溶け込むような、そんな2人だった。


日向さんの水仙は、3チームの中で唯一の女性水仙。水仙は強がり見栄っ張りキャラだと勝手に思っているのだけど、日向さんの強がり方は、なんか、しなやかだ。鈍感な人間ならそのまま「強い」と見逃してしまいそうな巧さがある。その巧さが水仙本人の首を絞めるところまでセットで、彼女の水仙は魅力的だ。作りが女性だからの一言で片付けるのは失礼だと思うのだけれど、間違いなく女性的な強さや美しさは土台にあった。性別逆転の台本が1番効いていたのは、『Lu-na』だったかも、もっと言えば、水仙だったかも知れない。

対する由梨さんは、真っ直ぐしっかりの人。少年よるの台詞はすとんと綺麗に出るから、水仙とのペアとしてはすごく良かったんだと思う。あと、由梨さんはリズム感もいいんだなと思っていた。相手の呼吸に合わせる?みたいなことがすんなり上手くいく場面が多くて、日向さんみたいな強い雰囲気で引っ張る役者さんとやるとすごく演出しやすい。見ててスッキリ決まるところが多くて、楽しかった。それともうひとつ。よると色猫のシーンの勢いと迫力は、可惜夜が飛び抜けてた。全員が出てくる場面はどのチームも何度も稽古したけど、よる色猫がテンポを作ってくれると役者としては助かるし、単純に見てて面白かった。チャレンジのつもりで振った役だったけど、意外にもはまり役だったかもしれないなあ、なんて思う。


私はと言うと、可惜夜は迷いっぱなしだった。朝はともかく、スズランは多分、今回の中では1番私から遠い性質だったから。知らない感情がいくつも生まれて、それはそれで面白かったけど、処理に困る、みたいな。心が動くのは気持ちいいけれど、それを表現として成立させる技術はまた別の話なんだなあ、と。役者としては新たな発見を得たチームでもあった。


反省もいっぱい。楽しかったと言うよりは、頭使ったって感じ。

私にとっては、最後までトリッキーなチームでした。

余談だけど、可惜夜ってすごく綺麗な言葉だなと思って。明けるのが惜しいほど素晴らしい夜。チーム名を決めるために色々調べてて初めて知った言葉だったけど、大好きな言葉です。稽古期間中にiPhoneがアップデートされて、「あたらよ」で「可惜夜」が変換されるようになって嬉しかった。



あーーーー、やっと全チーム書けた。Twitterの役者紹介が中途半端になっちゃったから、役者さんのことも細かく描きたいなとか思ってたら、2週間も経ってしまった…。みんな、まだ覚えてるかなあ…。

自分のことは序盤に書いたから、もういっかな。複数チームで違う役やるの、実はほぼ初めてだったんですよ。舞台面全入れ替え、照明諸々仕込み直し…は、まあ、私の我儘としても。

頑張ったよね!頑張ったでしょ!みんなにも助けてもらったけども!馬鹿って言われたけど!自分でもそう思うけど!でも頑張ったことだけは褒めてほしい。結果が全てと言われても(いや別に結果も悪くなかったし!好評だったし!)、頑張ったのだ、私は。自分は天才だと言い聞かせて、私なら出来る、私にしか出来ないと何度暗示をかけたことか。実際、ちょっとは天才だと思ってる(ポジティブ期に入りました)。褒めて、ください…。


冗談はさておき。本当に、ありがとうございました。座組みのみんなも、もちろんお客様も。今回は、なんだかたくさんの人の応援を感じた。会場には来られなかった方にも、色んな言葉をもらいました。もはや私1人の我儘にしておくのは烏滸がましいなと思うくらい。ぶれえめん.らぼはいつの間に、こんなに多くの愛をもらえる団体になったのでしょうか。


そして、これでやっと終われる。気持ちもすっきり、次に向かいます。

ぶれえめん.らぼとしては10月と、多分12月にも公演があります。来年は4月か5月と、また10月。こんなに先を考えているのも初めてのことです。メンバーの琴音さんとも相談しつつ、たくさん助けてもらいつつ。私個人の気持ちとしては、まず役者さんに楽しんでもらえる団体でありたいなと思っています。参加してくれる役者さん(じゃなくても、なんか表現活動してる方なら誰でも)も随時募集しています。連絡くれたら、なんかしらします。一緒に遊びましょう。


私は私で、もっと強くなる準備をします。今月から、創作マラソンを始めることにしました。月に一回、朗読ひとり芝居配信を。年内のどこかで、有観客でのひとり芝居も考え始めています。詳しくはTwitterなどを見てください。

もっと自信満々に闘えるようになりたい。実務がちゃらんぽらんなのは治らないとしても、せめて精神的には自立したい。自分自身の性質や感情と戦うための企画でもあります。ぶれえめん.らぼ共々、見届けていただけたら嬉しいです。


なっっっっっがいのよ。文が。もう終わります。

改めて、今回は本当にありがとうございました。また、どこかで。