洗濯板の使い方(2025/10/13) | ノモンハン事件

洗濯板の使い方(2025/10/13)

~~編集中~~

 

長年、両親のインタビューを行ってきたが、時折、話題になったのが、戦前~戦後昭和30年代頃までを話題とした映画・ドラマの洗濯板の使い方である。まるでなってない…というのが両親の意見であった。

これは家事をやらない昭和一桁の父であっても同意見だったので、よほどひどい…ということだろう。(※加えて軍人さんが丸坊主でない、長髪であることも気に入らない様子…)

 

先ずは2018年に私が作ったYouTube動画なのだが、NHKドラマ「夕凪の街 桜の国2018」にてキムラ緑子さんが、泥に汚れた衣類をゴシゴシ洗っているのを観たのが最大のインパクトとなって制作したものだ。

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2018/08/08

最近の戦前~戦後を題材としたドラマ・映画を見ると、間違った洗濯板の使い方をしているものが全てと言って過言でない状況となりました。祖母や母たちの生きた「昭和」がブームとなりながらも、実際の家事労働がこのような形で、間違って伝承されて行くことに危機感を感じずにはいられません。 一方、ネット検索しても、今一つ明確に正しい洗い方を動画解説しているものがありません。これを機会に、昭和39年まで洗濯板で洗濯をしていた、昭和8年生まれの母に実演してもらい、記録に残すことにしました。

昭和10年から18年まで満州の鞍山で暮らした母によると、満州時代の時から既に洗濯板の波目にはカーブが付けられていたそうです。また、洗い方は誰に教わるでも無く、見様見真似で覚えたものだった・・ということでした。 また、濯ぎの際に、洗濯板の上下を逆に使うのが正しい方法とされている様ですが、「そんなことをしている人は居なかったねぇ・・・」とのこと。何が正解で何が間違いか?は、地域や年代によって異なる為、一括りでは言えない様です。

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実はこんなことがあった。動画作成から遡ること7年。2011年上半期の連ドラの「おひさま」にて、視聴者より、陽子役の井上真央さんの洗濯板の扱いが全くなってない…との指摘があった。もちろん私の両親も直ぐに気が付いた。この指摘は放送直後のかなり早い段階から存在し、ネット(掲示板)だけでなく、地元紙・神戸新聞のイイミミ(投書欄)にも投稿されたのだった。

 

後に私が録画で確認したところによると、放送開始直後の第7話での陽子の洗濯シーン、第73話の須藤・父の洗濯シーン、第111話で陽子がおしめを洗うシーン…こ3シーンが、まさに洗濯板に布地をゴシゴシと擦り付ける洗い方だった。

ところが 第144話では陽子は正しい洗濯法を行っており、それもかなりのアップで映されていたのだった。第7話から第144話までには約5ヶ月間の期間があるので、視聴者の指摘が取り入れられたのだろうと考えていた。

 

この一件以降、男優の長髪はともかく、これでNHKの時代考証は安泰だと考えていたところに来ての「夕凪の街 桜の国2018」だった。それもベテラン女優のキムラ緑子さんである。これはいかんと思ったのだった。

 

何か参考になる動画はないかと調べてみたところ、実際に実演している動画がほとんど存在しないことも判明した。

以下の動画が当時、一番参考になったのだが、残念ながらというか、洗う際の洗濯板の波目が逆なのである。もちろん、どちらで使ってもご本人の自由なのだが、世界中見ても和式洗濯板だけにこの波目カーブがつけられている。この意味を説明するには不適であった。もしこの動画が、波目を正規の方向で使われていたなら、母モデルの実演動画は日の目を観なかったのである。

 

さて、参考になる動画が無ければ自分で作るしかない。幸い、私のオムツ(布)を洗った母が健在ではないか…

これまでさんざん、戦前~の話をインタビューして来たし、「昭和のくらし博物館」館長の小泉和子さん著の「昭和の家事」の内容についても考察してもらったこともあった。

 

投稿後、ほどなく再生回数がUPしているのを知った。東京のとある小学校で授業に使わせて欲しいとの連絡もあったり、2022年7月にはキーワード検索でトップに表示されるようになっていた。今日、洗濯板の使い方というキーワードで検索すると、かなりの数がヒットするようになった。ここまで来ると時代考証の際にも何も知らないスタッフが参考にして、間違いも無くなるのではないか?そんな気がする。

 

NHKドラマ「夕凪の街 桜の国2018」にてキムラ緑子さん

 

あの超名作映画でも…

 

放送開始直後の第7話での陽子の洗濯シーン

 

第73話の須藤・父もゴシゴシと…

 

ところが5ヶ月後の第144話。陽子は正しい洗濯法で、ゆるゆると…

 

このシーンは「濯ぎ」なので「波目がさかさま」「水は透き通っている」とのこと。さすがです(片淵監督に確認)