高齢者施設での食事について・・・ | 高齢者介護を考える!暮らしを考える!介護の仕事人オガワトモナリの不定期ブログ!

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保有資格:介護福祉士、介護支援専門員、認知症ケア指導管理士


お米の炊ける匂い、グツグツ煮える音、トントンと包丁で具材を切る音、家の中は食事を準備する「暮らし」の匂いがしていますね。

高齢者施設などでは、厨房で解凍した食材を調理し、各フロアやユニットへ配膳されます。

まだ私が、介護福祉士の専門学生だった頃の実習先の特養では、保温庫の中に、名札&主食副菜などがすでにセットされた配膳車がガラガラとフロアに到着し、職員はせっせと配膳します。


薄暗いフロアに配膳を待たされ、席にセッティングされたお年寄り。

違和感のある光景です。

そこに「暮らし」があるとは到底言えないでしょう。

以前勤めていた特養で、そんな旧態依然とした施設から脱却する為に、「食事革命」が起こりました(^.^)


厨房に入るフード会社を切り離し、直接雇用に切り替えました。
そして食材は地域の商店街で購入し、そこから厨房で調理し、ユニットのお年寄りを巻き込んで、副菜を人数分小鉢に分けてもらいます。

もちろん、お米はユニットで炊きます(=゚ω゚)ノ

施設っぽい食器や備品もすべて廃止し、お年寄りの方々と地域の商店街へ出かけ、お茶碗やお箸など、思い思いの物を買いに行きました(^.^)
(お年寄りが自ら選ぶ。ここにとても重要な要素があります。)

「食事革命」は紆余曲折ありましたが、お野菜はシャキシャキと歯応えがあり、お肉、お魚も出来たてホヤホヤ(^ー゜)
冷凍食品時代とは比べ物にならない美味しさ!!
ユニットには食事のいい匂いが漂い、お年寄りからも「美味しくなったね。」などの声も聞く事ができ、施設での暮らしはまさに革命が起こっていました(≧∇≦)

そして革命の流れから、月に1度、「食事作り」と称し、ユニットの中で、職員とお年寄りで調理するという事をやっていました。
まずお年寄りの食べたい料理などの声を聞き、地域の商店街へ共に出かけ、食材を選び、お金を払います。
この時、お年寄りに選んで頂き、お金もかかる分を出して支払ってもらいます。

「新米の季節やねぇ。」
「これで足りるやろ。」など、まさに「暮らし」の会話が交わされます。


施設から商店街への行き来の間、長くそこの地域に住んでたお年寄りは、「ここはなぁ、昔一面原っぱやった。」など、懐かしむ事もしばしば(^.^)

お年寄りの方々は、家にいる頃は、自分の足で商店街やスーパーへ行き、お金を払って食材を買いに行き、調理して食べる、「暮らし」をしていましたよね。


そういう事が出来ないから施設にいるんでしょ?
とも言われそうですが、確かに本当に出来ない人もいますが、施設入所をして、我々介護者が、

「お年寄りから奪っている暮らし」

をすこしでも返す事が必要なのではないでしょうか(>_<)
この話はまた詳しく書こうと思います。


特養では月1の食事作りでしたが、敷地内にあるグループホームでは、365日毎日、商店街へ出かけ、食材調達、調理を、職員とお年寄りでやっていました。
たまにマクドナルドのセットなども食べてました(笑)
その時、ハンバーガーをひとつひとつ分解して珍しげに食べるお年寄りもいて「不思議な食べ物じゃなー。」と話していました(≧∇≦)