今回はアメリカの大学受験や海外からAO入試(総合型選抜入試)や帰国生入試をする際に必要になる推薦状についてのお話です。
【推薦状の必要性】Letter of Recommendation
アメリカの多くの私立大学では、受験の募集要項の中に1通〜2通の推薦状(Letter of Recommendation)が必須となっています。大学側は出願で提出された書類(成績証明、エッセイ、課外活動の記録など)のみで合否の判定をする必要があるため、出願した生徒一人一人の人物像をより理解するのに高校からの推薦状がとても重要になるのだそうです。
大学のアドミッションズオフィスは、生徒がどのような人物であったかをこれらの推薦状を通して理解し、また大学にふさわしい人物かどうかの判断材料にしています。そんな訳でアメリカの大学受験においては、推薦状の存在が大変重要な鍵となっているわけです。
【推薦状は誰に依頼するのが良いか】
基本的に推薦状は、過去に最低1年間は授業を受けたことのある高校の教師やガイダンスカウンセラー(進路指導の職員)に依頼するのが一般的です。その他、部活の顧問や、校外の習い事(例:サッカークラブのコーチ、ピアノの先生など)に依頼するのもありです。
ここで注意していただきたいのは、推薦状を依頼する先生が生徒の良き理解者であり、生徒に対して良い印象を持ってくれている方にお願いする事が重要。教師の中には推薦状に不慣れな先生もいるようで、依頼してすぐに快く引き受けてくれる先生もいれば、バッサリお断りするような先生もいます。依頼が断られる事も想定して候補の先生を予め多めに選んでおくと良いと思います。
推薦状が必要になるのは、出願をする高校シニアの年ですが、通常はアメリカの高校2年生または3年生の時期にお世話になった先生に依頼すると良いと思います。複数年同じ先生に習っていた教科がある場合は、推薦状を依頼するには適任だと思います。
【推薦状はいつ頃依頼するべきか?】
推薦状は出願時期の2ヶ月くらい前には高校の教師やガイダンスカウンセラーに依頼をすると良いと思います。依頼された側も複数の生徒から同時期に推薦状の依頼がきている可能性も十分考えられますので、最低でも2週間以上前までには正式な依頼をするようにしましょう。AO入試や帰国生入試でアメリカから日本の大学に郵送する必要のある生徒さんは、もっと早く準備を始められることをお勧めします。
【推薦状を依頼する際の注意点】
- 自分を良く理解してくれている信頼できる先生にお願いする。
- 推薦状を依頼する場合は早めに計画する。
- 大学によって専用の推薦状のフォームを利用しているところもあるので、募集要項をしっかりと確認する。
- 出願の期限に間に合うように、依頼する相手にいつまでに必要であるかを必ず伝える。
- 推薦状の提出方法は学校によって異なる為、オンラインで提出できるのか、教師が直接大学にメールで送るのか、または厳封で郵送しなければいけないのか必ず大学の募集要項で確認する。
- 正式な依頼をする前に対面して推薦状の依頼を受けてもらえるかを聞いてみる。
- 推薦状を依頼する相手に、自分を良く知ってもらう為にBrag Sheetを作成する。
Brag Sheet とは?
Brag Sheetとは、教師やガイダンスカウンセラーが推薦状を書く上で、生徒の人物像がわかるように生徒自身が自分の自己アピールをする為に書く、履歴書のようなもの。教師はこのBrag Sheetの情報を元に大学に提出する推薦状の作成をすることになります。生徒は大袈裟なくらい自分の長所や過去の活動履歴などを書き記しておくと、依頼された教師やガイダンスカウンセラーは推薦状が書きやすくなると思います。
【推薦状を依頼する方法】
推薦状の依頼方法は高校によって若干異なるかもしれませんが、下記の手順で高校の教師やガイダンスカウンセラーにお願いするのが一般的だと思います。
- 推薦状を誰にお願いするか候補を決める。断られる事も想定して複数候補を挙げる。
- 候補が決まったら、対面で推薦状を書いてもらえるかどうかを打診してみる。
- 推薦状の依頼を受けてくれる相手が決まったら、早速Brag Sheetを準備する。
- Brag Sheetが出来上がったら、今度は正式な推薦状の依頼メールを送る。その際、どこの大学のどの学部に送るのか、いつまでに推薦状が必要なのか、大学専用の推薦状のフォームがある場合はそのファイルも添付して送る。また、郵送をする場合は厳封で送るのが一般的になっていますので、学校の封筒に入れて厳封のサインをしてもらえるよう必ず明記しておく。
- 推薦状の締め切りの前に、依頼者に対して丁寧なリマインドのメールを送る。
- 推薦状を書いてもらえたら、必ず感謝のメールまたは言葉を直接依頼者にかける。
- 大学の合否結果が分かったら、お礼も兼ねて報告をする。