今回はアメリカの大学受験においてかなり重要と言われている、受験生がその大学に行きたい熱意アピールの方法についてお話ししたいと思います。 

 

 

【大学に熱意をアピールする理由】

 

まず始めに、受験生がGPAや共通テストスコア、エッセイ、また課外活動などの他に、大学に熱意をアピールする意味って何なんだろう?って思いますよね。

 

アメリカの大学受験では、日本の大学とは違ってトップレベルの大学に受かったからといって、生徒は必ずしもその大学に進学するとは限りません。理由としては、生徒は何が勉強したいか、どの環境で勉強をしたいのか、どの教授の授業を受けたいのか、自分に合っている大学なのか、そして奨学金の有無や学費の金額などによって、ランクの高い大学に受かっているにも関わらず、別の大学に進学を決める生徒が結構多いことが挙げられます。要は優秀な生徒はトップレベルの大学を複数出願するケースが多く、滑り止めで受けている可能性もあるので、大学はとにかく入学する可能性の高い生徒から優先的に選考する傾向にある、という訳です。

 

ここで重要になるのが、受験生の大学に対する熱意アピールです。大学側からしたら一人でも多くの優秀な新入生を確保することは最重要事項ですから、より大学にアピールしてくれる生徒を選びに行くのは必然的な結果ですよね。 

 

上差し Yield RateAcceptance Rate

 

合格した生徒数に対して実際に入学する生徒数の割合を表した数値は、Yield Rateと言われています。このパーセンテージは難関の大学ほど高い数値になるという統計が出ています。またYield Rateが高い大学はAcceptance Rate(合格率)が低いというデータも出ています。

 

つまり、スタンフォード大学やハーバード大学のようなトップレベルの大学に合格した生徒のうち、約2割くらいの生徒は合格を蹴って別の大学に進学するのだそうです。

 

 

【大学に熱意アピールをする方法】Demonstrated Interest

 

アメリカの大学受験において、合格した場合は入学の意志がある事、大学に対して熱意がある事を大学側に伝えるにはいくつか方法があります。典型的な方法を下記にリストにしてみましたのでご参考まで。

  • カレッジフェア(大学説明会)に参加してみる:実際に大学説明会のイベントに足を運んで担当者と会話をしたり、名前を登録しておく事が重要。また、オンラインセミナーなどでも、Q&Aのコーナーがあれば、積極的に質問をしてみると良いと思います。

     

  • 大学のカレッジツアーに参加してみる:高校2年か3年生の長期休暇などを利用して、興味のある大学のキャンパスツアーに是非参加してみましょう。その際、セルフ見学ではなく、アドミッションズ オフィスで名前を登録して大学のガイド付きのキャンパスツアーに参加してみる事をお勧めします。ガイド付きのキャンパスツアーは予約制で、有名な大学のツアーはすぐに日程が埋まるそうなので、早めにツアーの予約をすることも忘れずに。事前に連絡をすれば、ツアーの日程でない日でもガイドをしてもらえることもあるそうです。

  • Early Decision / Early Actionで出願する:Early DecisionEarly Actionなどの早期出願は大学側に入学の意志があること、第一志望である事をアピールする上で絶好の方法だといえます。特に、Early Decisionは合格したら必ず入学する事が条件なので、大学側にとっては歓迎される受験生であることに間違いないです。

     

  • 大学のメーリングリストに登録する:大学のメーリングリストに登録してみよう。アメリカの大学ではほとんどの大学でMailing Listが存在します。このメーリングリストに登録することで、大学の説明会やウェビナーなど様々なイベントに関する情報をタイムリーに知ることができます。

     

  • 大学公式SNSをフォローしてみる:大学公式のSNS(インスタグラム、ツイッター、Youtube、Facebookなど)をフォローする事でその学校に興味がある事をアピールする事ができます。他のアピール方法に比べるとかなり地味なアプローチですが、時々「いいね」を押したりしてチェックしてますよ、アピールするのも良いと思います。

     

  • アドミッションオフィスに相談のメールをしてみる:アドミッションズオフィスに、大学受験に関する質問や相談のメールを送ってみよう。ウェブサイトを見ればすぐにわかるような内容の質問ではなく、自分の事も軽く紹介しつつ、その大学に対する熱意や本気度が伝わるような質問・相談のメールを是非送ってみてください。それには事前に大学のウェブサイトを良くリサーチしておくことも重要になります。

     

  • 大学の教授に直接連絡をしてみる:特定の分野や研究で有名な大学教授に直接連絡をしてみる事も効果的なアピールになります。興味があれば、夏休み中を利用して研究やイベントに参加させてもらったり、見学をさせてもらうとかなり良いアピールになると思います。理系の生徒にはオススメの方法だそうです。

     

  • オプショナルのエッセイでアピール:大学の出願をする際に、出願で提出するエッセイの他に、オプショナルのエッセイを書く蘭(Optional Essay)があります。このオプショナルのエッセイでは、出願用の課題エッセイでは書くことができなかった内容を書くことで更に自己アピールをする事ができます。文字数に限りがあるとは思いますが、自分がいかにその大学で学びたいのか、将来的にコミュニティにどのような貢献ができるのかなど、最後のアピールチャンスだと思って是非書いてみてください。

     

  • 卒業生インタビューに参加してみる:高校の進路カウンセラーや大学のアドミッションズオフィスに連絡して、もし大学の卒業生が高校訪問などでインタビューする機会があれば是非参加してみる事をお勧めします。その際には大学に関する質問をいくつか用意して聞いてみると良いと思います。

     

  • 大学のウェブサイトを定期的に訪問しよう:かなり地味なアプローチではありますが、大学のウェブサイトに時々アクセスしてみる事も大学に対する興味を示す方法なのだそうです。定期的にチェックすることで、最新の大学の情報がわかるのでアプローチの為というよりは、情報収集の為に是非やってみてください。

 

 
 
<感想>
 
こうしてみると大学にするアプローチの方法は色々とあるものですねー。ちなみに家のハーフ大学生(昨年高校シニア)は、上記10個のアプローチ方法のうち5個実行していました。
 
本気で第一志望の大学の合格を目指している生徒さんは、可能であれば早期出願(Early DecisionまたはEarly Action)が一番オススメのアプローチの方法だと思います。Early AdmissionはRegular Admissionに比べて合格率も高いので、第一志望の私立大学が早期出願の利用が可能な場合は絶対にお勧めです。
 
上記リストを見てみると、〇〇に参加してみる とか、△△に登録してみるというのが結構多いですよね。これは、要は名前を登録して履歴に残す(足跡を残す)事が目的になっているので、何度も名前を残すことにより大学に本気アピールをしている訳です。アプローチが苦手な方でも、キャンパスツアーや大学説明会などは割と手軽に名前の履歴も残せますし、更に大学の情報も入手できるので絶対にお勧めのアプローチ方法だと思います。
 

大学に熱意アプローチをする事によって、どの程度合格の可能性が上がるのか実際のところはわかりませんが、可能性が少しでもあるなら是非やってみる価値があると思いました。

 

受験生の皆さん、カリフォルニアの公立大学の願書提出期間はいよいよ今月末が締め切りですが、最後まで悔いのないよう頑張ってくださいね!