今回はCommon AppとNavianceについて簡単にご説明したいと思います。
Common Appとは?
Common App(コモン・アップ)は、Common Applicationとも呼ばれていて、アメリカの大学受験で一般的に使われている共通オンライン願書のことを言います。有名なアメリカの私立大学を含む全米の多くの大学がこのCommon Appのシステムを利用しています。ただし、アメリカの大学の中でもCommon Appによる出願を認めていないところもありますので、志望する大学がどの出願システムを受け付けているのかご確認ください。
UCとCSUの出願サイトについて
ちなみに、UC(カリフォルニア大学)とCSU(カリフォルニア州立大学)は、それぞれ独自の出願サイトを使用しているので、Common Appからの出願はできません。下記リンクはUCとCSUの出願サイトです。
- UCの出願サイト:UC Application
- CSUの出願サイト:CAL STATE APPLY
Common Appを利用するには
Common Appを使って願書を提出するまでの流れは下記の通りです。
- まずはCommon Appのサイトから個人アカウントを作成
- 志望の大学と学部を選択する
- 出願に必要な書類や情報を集めて入力する
- 成績証明
- 課外活動、アルバイトやボランティア活動、家庭での家事・手伝いなど
- 共通テストのスコア(SATやACTテストを受けた日、スコアなど)
- 保護者の情報
- 学業で受けた表彰履歴など
- 推薦状(大学により書式や枚数は異なります。通常先生やカウンセラーに依頼)
- エッセイ(大学により課題内容や文字数は異なります)
- 出願料を支払う
- 願書を提出する
Navianceについて
Naviance(ナビアンス)って何のこと?って思った方、結構多いのではないでしょうか。私も昨年、子供が高校のシニアになってから初めてNavianceを知りました。Navianceはアメリカの高校で使われている、大学進学の計画管理ツールのことを言います。
高校によってはNavianceを使っていないところもあるようですが、主にCommon AppやCollege Boardなどとリンクさせて、志望大学の検索をしたり大学受験で必要になる推薦状の依頼をする時などに利用します。
高校でNavianceを使っている場合は学校の成績とリンクされるので、SATやACTなどの共通テストのスコアを入力すると現在の成績と共通テストスコアで大学の合格率や、過去に同じ高校から受かった合格者数や、同じような成績の生徒の合否など、様々な検索や統計を見ることができます。
また、Navianceは大学進学の為だけではなく、高校卒業後に専門学校や就職を希望する生徒にも同じように進路計画を管理する目的で利用されています。
Navianceを利用するには
- Naviance のアカウントは、通常は学校用のメールアドレスでログインするので、高校に入学してすぐに学校でアカウント作成する機会があると思います。(パスワードを忘れた場合はリセットすればすぐにまたログインできます。)
- 郵便番号または学校名から生徒が通っている学校を選択してログイン。
- Navianceは高校の成績と自動的にリンクしていますので、共通テスト(SAT、PSAT、ACTなど)のスコアが既にある生徒はTest Scoresにスコア情報を入力します。
Navianceでオススメの主な機能
<Find Your Fit> 大学選び
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SuperMatchTM College Search: 生徒のGPAや共通テストスコアを基に最適と思われる大学を割り出した大学のリスト
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Scattergrams:過去に同じ志望大学を受けた生徒のGPAやSATまたはACTのスコアを基に、過去に受けた生徒がどの位のGPAとスコアで合格/不合格だったかを緑のチェックと赤のバツをグラフ上で示した統計画像。現在の自分が合格圏にいるのかギリギリなのかが一目でわかります。
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Advanced College Search: 複数のカテゴリの中からそれぞれ興味のある条件を選んで検索した大学の検索結果。
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College Lookup: 複数のクイック検索フィルター(キーワード、大学名、国、州など)の中から一つを選択して検索された大学のリスト
<Research Colleges> 大学のリサーチ
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College I'm Thinking About: 自分が出願を希望している大学のリスト。あくまでも自分が受けてみたいなぁと思っている大学なので、大学のレベルはさておいて、興味のある大学を中心に様々なレベルの大学をリストしてみると良いと思います。
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College Visits: 大学の説明会やオープンキャンパスなどのイベントリストを管理することができるツール。興味のある大学の説明会の申し込みをすることができます。
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College Compare: 複数の大学の比較をすることができるツール。過去に大学に合格した生徒のGPAや共通テストの平均値を元に、生徒が現在どの大学の合格圏にいるのか、などを常に確認することができます。お気に入りの大学リストから比較したい大学にチェックをして『Compare Me』のボタンを押すと大学の比較リストを見ることができます。
<Apply to Colleges> 出願の準備
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College I'm applying to: ここでは実際に生徒が出願する大学をリストします。そのリストの中には、合格圏の大学、安全圏の大学、挑戦レベルの大学を含めて10校まで絞るよう指導されていました。ちなみに10校に絞る理由としては、FAFSAが10校まで登録可となっているからだと思います。また、ここにリストした大学は、後に願書提出済みとか、合格、不合格、補欠合格、入学予定などのステータスを自分で更新していく場所なので結構重要になります。
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Letter of Recommendation(Brag Sheet): 出願に推薦状が必要な場合は、Navianceから学校の先生やカウンセラーに依頼します。(学校によって若干異なる場合もあります) 推薦状のリクエストをする前に、『Brag Sheet for Letter of Rec』という簡単なアンケートと自己アピールを書く箇所があります。依頼された先生やカウンセラーはそれを基に推薦状を書くそうなので、これでもかというくらい自己アピールしておきましょう。通常Brag Sheetは、About MeのSurveysの中にあるので、まずはアンケートの提出をすることから始めてみてください。
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Test Scores: SATやACTなどの共通テストのスコアを追加することができる。複数のテストを受けた場合は、テスト日とそれぞれのスコアを入れていく。
<感想>
Naviance利用してみた感想としては、大学リサーチをするのにすごく便利だなと思いました。私がNavianceを使い始めたのは、子供が高校シニアになった頃からなのでだいぶ出遅れた感はありますが、今はもっと早く知っていたらよかったなぁって思います。
Brag Sheet(推薦状を書いてもらう為のアンケート)は、家の子はアンケートを提出するのに時間がかかってしまい、結構ギリギリに推薦状を受け取ることになりました。受験シーズンは出願時期が同じで推薦状が必要な生徒も多くいますし、複数の生徒から推薦状を依頼されている先生やカウンセラーは直ぐに準備ができない可能性もあります。確実に推薦状が必要な生徒は、とにかく早めに依頼準備をすることをお勧めします。
ちなみにNavianceは子供用のアカウントと保護者用のログインアカウントがあるのですが、我家は子供用のアカウントを親子でシェアして使っていました。個人的にはNavianceは子供よりも私の方が使用頻度が高かったかも・・・。😅
また、Navianceは海外の大学ともリンクしていて(全部の大学ではないです)、同じ高校から日本の大学に進学した生徒がいたかどうか、過去に何人受けて何人合格したか、合格した生徒(匿名)のGPAやSATスコアなども確認することできます。大学の合格率や入学率、卒業率なども検索できますし、とにかく便利な機能が色々あるので、Navianceに興味のある方は是非一度使ってみてください。