今回はEarly DecisionとEarly Actionについてご説明させていただきたいと思います。
【アメリカの出願方式】9月入学の場合
- Regular Decision:いわゆる一般受験、通常の出願期間
- Early Decision:早期出願が可能、単願のみ
- Early Action:早期出願が可能、併願が可能
【Early Applicationについて】
アメリカの大学受験には、Early Application(早期出願)と呼ばれている出願方式があります。Early Applicationには、大きく分けて Early Decision と Early Action という二つの出願方法があります。どちらも早期出願期間と早期合否発表があるという点では同じですが、一つは受かったら絶対に入学しなければいけないという条件付き。どちらの出願方式も通常のRegular Decisionでの出願に比べて合格率がグンと上がります。
このEarly Applicaitonに関しては、全米の全ての大学で実施されているわけではなく、今のところアメリカの約400〜450の大学でのみ実施されているようです。この数は全米の大学の約20%程度なのだそうです。志望されている大学がこの早期出願方式を実施しているかどうか、まずは確認してみて下さい。
【Early Decisionとは】Binding
Early Decision(ED)とは、いわゆる縛りのある出願方式で(Binding)、大学に合格した生徒は絶対に入学するという条件付きです。日本の指定校推薦のようなものだと思っていただいてよいと思います。通常、Early Decisionで出願できるのは1校のみ。Early Decisionに出願した生徒は、Regular Decisionの出願期間に別の大学にも併願もできますが、Early Decisionで合格した場合は5月1日までに返金不可の入学金の支払いが必要となります。
<Early Decisionのメリット>
- 早期出願、早期合否通知なので、早く結果を知ることができる。通常は10月〜11月頃に出願期間があり、12月〜1月頃までには合否通知が送られる。
- Regular Decisionの出願に比べ、合格率がかなり高い。
- 本命の大学に出願する場合には有効な出願方法である。
<Early Decisionのデメリット>
- 合格が決まったら必ず入学しないといけないという縛りがある。
- 他の大学のファイナンシャルエイドと比較することができない。
- 財政援助が必要な生徒はEarly Decisionは出願は考え直した方が良い。
【Early Actionとは】Non-Binding
Early Action(EA)とは、早期出願をしてその大学に合格していたとしても、必ずその大学に入学しなければいけないという縛りはありません。(Non-binding) つまり、合格はしていても、その後別の大学にRegular Decisionで合格したらそちらの大学に入学することも可能なわけです。また、Early Decisionとは違い、Early Actionとして複数の大学に出願することもできます。(Early Actionの併願を認めていない大学もあります)
<Early Actionのメリット>
- 早期出願・早期合否通知なので、結果を早く知ることができる。通常は10月〜12月頃に出願期間があり、1月〜2月頃までには合否通知が送られる。
- Early Decisionとは違い、Early Actionの出願方式で複数の大学に出願が可能。
- Early Actionで合格だったとしても、Regular Decisionで他の大学に出願して、その大学に進学を決めることもできる。
- 5月1日まで進学の決定を待つことができる。
【Restrictive Early Action / Single-choice Early Action】
Non-Biding
Early Actionの中でも、Restrictive Early Action(REA) または Single-choice Early Action (SCEA)と呼ばれる出願方式があります。これは通常のEarly Actionとは違い、Restrictive Early Actionとして出願できるのは私立大学1校までという制限があります。つまり、Restrictive Early Actionで出願する場合は、その他のEarly Actionで私立大学に出願することはNGとなります。
ただし、Early Decisionとは違い、合格しても必ず入学しなければならないという縛りはありません。(Non-Binding) また、Regular Decisionでの併願も可能です。ちなみに、Restrictive Early Actionで不合格となった場合、同じ大学のRegular出願での再挑戦はできません。
<Restrictive Early Actionで出願できる大学>
このRestrictive Early Actionを実施しているアメリカの大学は、下記の私立大学のみとなります。
- Georgetown University
- Harvard University
- Princeton University
- Stanford University
- the University of Notre Dame
- Yale University
<感想>
Early DecisionもEarly Actionも志望している大学に出願する場合は、合格率も上がりますし、早く結果がわかるので、本命の大学を受ける生徒さんにはメリットが多い印象がありますよね。ただ、Early Decisionで出願する生徒さんでファイナンシャルエイドが必要な場合は、出願する前に親子で、また進路カウンセラーとよく相談した上で決断される事をお勧めします。
Early Decisionで合格した場合、Early ActionやRegular Decisionで出願した他の大学のファイナンシャルエイドと比較する事ができないというデメリットがあります。せっかく受かったのに学費が支払えない為に入学を辞退する事にならない為にも、学費の支払いに不安がある生徒さんは、Early Decisionでの出願は考え直した方が良いと思います。
基本的にEarly Decisionで合格した生徒は、その大学に入学することが義務付けられていますが、特例としてファイナンシャルエイドのパッケージが学費に対して足りなかった場合は、入学の辞退が認められているのだそうです。せっかく本命の大学に受かったのに、学費が払えないという理由で入学を泣く泣く辞退・・・これは絶対に避けたい結末ですよね。😭
何はともあれ、本命の大学がEarly Decision、Early Action、Restrictive Early Actionを実施しているようでしたら、私は是非とも利用する価値があると思います。
また、Early Applicationで進学先が早々に決まった場合にも、最終成績証明でGPAが大幅に下がってしまった場合には入学が取り消し、なんてこともあるのだそうです。高校を卒業するまでの成績維持も引き続き気を抜かずに頑張って下さいね〜。