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寄る辺なき時代の希望―人は死ぬのになぜ生きるのか
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先週読んだ「悩む力ベテルの家の人々」のつながりで、読んでみた。田口ランディの「寄る辺なき時代の希望」。大仰なタイトルですが、ベテルをもう少し知ってみたかったから。
田口ランディといえば、「コンセント」を昔読んだという程度しか知りません。引きこもりの末自殺してしまう兄の話は、実体験が元だったそうです。
その体験を交え、「死なずに生きるとは?」という問いの答えを探し、著者が飛び込んだ幾種かの困難な現場で感じたことを記しています。
ベテルもその一つ。他にはチェルノブイリとか水俣。あまりに強烈な現場です。普通の部外者は、知っても近寄らない。せいぜい本で読むくらい(まさに私みたいな!)。
そこは作家としてのコネクションもあるのでしょうが、それだけではない、たぶん著者のおっちょこちょいの性格(←あくまで推測)で飛び込んで、後に引けなくなってしまう・・・そんな印象の体験記。
だいたいそんなディープな現場というのは、やむにやまれぬ当事者か、そういう性向の人たちの集いでは?だから、生半可な正義感みたいなものや、ましてや興味本位だけで近づいても混乱するだけなのは、予想できるじゃありませんか!
しかし、それが悪いわけではない。未消化の状態を語ることだって、充分アリで、この本によって、ベテルや原発について考える人だってでてくるのだから。
さらには、イメージを破る新しい動きを知ることができるのも、飛び込んでみたからこそ。これまでの声高に被害者や弱者救済を主張する運動というイメージとはちがう動き。たとえば水俣フォーラムのように、「目的は、水俣の事実を言葉を多くの人に知ってもらい、生かすこと」という静かな運動の存在を、この本で私は知ることができてよかったと思う。
「寄る辺なき~」の主題を、こっちから攻めるの?という違和感はあるものの、著者の体験や感じたことは興味深く読みとおせた。しかし、主題に戻そうとしたのか、最終章は、さらにずれた感はあるかなぁ。
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