この号では、アルバム紹介コーナーにピンク・フロイドの『Meddle/おせっかい』(1971年12月5日発売の日本盤)、シングル盤紹介コーナーに「One of These Days/吹けよ風、呼べよ嵐」が登場しています。
このアルバムのリリースは、米国盤71年10月30日、英国盤71年11月13日ですから、1ヶ月ぐらい後になりますが、前の『ウマグマ』のときは半年後、『原子心母』では3ヶ月後でしたから、だんだん早くなってきているのです。
目次 Back
ジェイムス・テイラー/グランド・ファンク・レイルロード/カーペンターズ/ディープ・パープル/ザ・フー/ジョン&ヨーコ/ニール・ダイアモンド/アル・クーパー/レナード・コーエン/ショーン・フィリップス/グレイトフル・デッド/ブラック・サバス/デュアン・オールマン
〈グラビア〉
二つの顔を持つ男・ミック・ジャガー/ジョージとリンゴの近況/ポールの新グループ“ウイングス”の披露パーティー/新しい年に燃えるフォーク・シーンのスター達/ニュー・シーカーズ来日/マンゴ・シェリー/ビーチ・ボーイズ/ヴァン・モリソン/フェイセス/メンバー・チェンジで再スタート、ハンブル・パイ、ブレッド/ルック・アット・ゼ厶/ポコ/カーチャ・エプシュタイン/フォト・トピックス。
東芝オデオンの広告ページに『おせっかい』登場。
P51
エルトン・ジョンの吟遊詩人としての資質とロック・ミュージシャンとしての才能がみごとに昇華した彼の最高傑作
■おせっかい/ピンク・フロイド
大作「エコーズ」を含むピンク・フロイドの最新アルバムは彼らの美に対するすさまじい執念がひしひしと迫る
フロイドのは、キャッチコピーを読むと、なんだか怖そうなアルバムみたいです……執念って、どこが? 左側のエルトン・ジョンのが、タイトルとは裏腹にまともすぎるくらいまともな紹介文なので、なおさら目立つような……。
〈INFORMATION〉のページには、フロイド再来日の情報が載っていました。
P121
3月6、7日 東京体育館
8、9日 大阪フェスティバルホール
・他に、札幌、名古屋でも公演が予定されています。
この号には30枚のシングル盤についてのショート・レビューがあり、その中から選ばれた編集部推奨の10枚が冒頭にリストアップされています。選考風景の写真つき。
P110
ブレイクアウト・シングル
これがヒットだ!
7人の選考委員によって選出された今月のML推薦シングルです。
〈今月のベスト・テン〉
(1) オールド・ファッションド・ラヴ・ソング〈スリー・ドッグ・ナイト〉
(2) 愛のわかれ道〈ブレッド〉
(3) チャッキー・ワゴン〈ルー・クリスティ〉
(4) 清流はいずこへ〈ビーチ・ボーイズ〉
(5) 戦争をやめよう〈グランド・ファンク・レイルロード〉
(6) ブラッドノット〈ボーイズ〉
(7) ハッピー・クリスマス〈ジョン&ヨーコ〉
(8) 黒いジャガーのテーマ〈ベンチャーズ〉
(9) アイム・ルージング・ユー〈ロッド・スチュワート〉
(10) 心の光〈イエス〉
今回は浮田周男氏のDJにより、11月24日の午後2時より、銀座三越店2階アーティスト・ステージにおいて行われ、沢山のロック・ファンの方々にご来場いただきました。
・選考委員 ・亀淵昭信/ニッポン放送プロデューサー ・浮田周男/ラジオ関東プロデューサー ・渡辺 勲/文化放送プロデューサー ・八木 誠/ディスクジョッキー ・田中正美 FM東京パーソナリティ ・星加ルミ子/本誌編集長 ・東郷かおる子/本誌編集部
P112
(One of These Days)
ピンク・フロイド
B面/シーマスのブルース
東芝 ORー2935 発売中
“夢に消えるジュリア”に続く曲で、最新アルバム「おせっかい」からかっとされたもの。メンバー4人のオリジナル。
(亀淵)モヤモヤ、ワカワカ、グワーンと不思議な魅力持つおなじみピンク・フロイド・サウンド、たっぷり楽しめます。
(浮田)恐れいっております。
(八木)あの箱根のシーンを思い出す。あの時も風が吹いていた。
(東郷)これがシングル?へえー!!……絶句!??
東郷かおる子編集部員のお言葉は、この時代では無理もないか、とも思うのですが、この方は、箱根アフロディーテの取材にも行ってらっしゃるんですよね(71年9月号にも名前が出ています…「ミュージックライフ1971年9月号・箱根アフロディーテのルポ(素顔のメンバー編)」参照)。
おそらく、コメントにメリハリをつけるためにこのひと言が採用されたのではないかと……。
ちなみに東郷編集部員は76年頃から星加ルミ子氏の後を継いでミュージックライフの編集長になります。KISSの取材の時には、シーン・シモンズと一緒に東郷編集長がグラビアページに載っていたりするのです。
そしてアルバムコーナー。
この号では27枚についてのレビューが掲載されています。
P166
各社新譜LPレコード紹介・alubum coener・ML編集部推薦レコード
アルバム・コーナー
★★★★★ーヒャー最高! ★★★★ーかなりイイ線
★★★ーまあまあね ★★ーチョボチョボ ★ーイモ! ☆ーおまけ
P169
★おせっかい/ピンク・フロイド
オデオン OPー80375
¥2,000
★★★★☆
(歌と演奏)
ピンク・フロイド
〈A面〉 (1) 吹けよ風、呼べよ嵐 (2) ピロウ・オヴ・ウィンズ (3) フィアレス (4) サン・トロペ (5) シーマスのブルース
〈B面〉 (1) エコーズ
「原子心母」以来、久々に放ったピンク・フロイドのこの最新盤は、又もや素晴らしく魅力的な1枚と言えます。
風の音から始まるこのアルバムは、ムーグ・シンセサイザー、アコースティックを使用しフロイドの神秘的で、繊細で抒情的な果てしない未知への世界へと自然とすいこまれていき、新鮮な感動を与えてくれます。A面はシングル・カットされた“吹けよ風、呼べよ嵐”から始まりアコースティックのイギリスらしい牧歌的なメロディやブルージーな曲と流れるようなきれいなヴォーカルは優しく幻想的ですが、何と言っても聞き物といえるのはB面の“エコーズ”でしょう。数十分にも亘る超大作のこの曲は、日本公演の緊張感溢れるステージを鮮明によみがえらせるようです。そしてバランスのとれた、きれいな音は、フロイドならではで、フロイドの常に未知への挑戦の姿勢が再認識できると言えましょう。
★本当にB面は圧倒されるばかり、さすが。3月の来日が非常に待ち遠しい。
レビューにある〈ブルージーな曲〉は「シーマスのブルース」でしょうけど、この曲もブルース系ジャズの香りがします。
ピンク・フロイドは、このアルバムリリースの前年70年8月に、この街で行われたミュージックフェスティバルに出演しました。
この映像にはメンバーは誰も出てきませんが、街や海岸の風景写真を組み合わせて、歌詞の雰囲気を伝えてくれています。
Pink Floyd - San Tropez (03:43)
SAN TROPEZ
Vocals : Roger Waters
As I reach for a peach
Slide a line down behind a sofa in San Tropez
Breaking a stick with a brick on the sand
Riding a wave in the wake of an old sedan
Sleeping alone in the drone of the darkness
Scratched by the sand that fell from my love
Deep in my dreams and I still hear her calling
If you're alone, I'll come home
Backward and homebound, the pigeon, the dove
Gone with the wind and the rain on an airplane
Born in a home with no silver spoon
I'm drinking champagne like a good tycoon
Sooner than wait for a break in the weather
I'll gather my far flung thoughts together
Speeding away on a wind to a new day
If you're alone, I'll come home
And I'll pause for a while by a country stile
And listen to the things they say
Digging for gold in hole in my hand
Open the book, take a look at the way things stand
And you're leading me down to the place by the sea
I hear your soft voice calling to me
Making a date for later by phone
And if you're alone, I'll come home
Lyric Data: http://pinkfloydhyperbase.dk/albums/meddle.htm
サン・トロぺ
桃を取ろうと手を伸ばして
ソファから滑り落ちたサン・トロぺの僕
砂浜ではレンガで棒っきれを叩いてみたり
古いセダンの後を追って波乗りをしてみたり……
暗闇に包まれひとり眠る僕
僕の愛からこぼれ落ちた砂にくすぐられ
夢の世界を漂う僕に彼女が囁きかける
“あなたが独りぼっちなら帰ってあげるわ”
…………
山本安見訳『ピンク・フロイド詩集』より抜粋(1978 シンコーミュージック刊)










