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ソロ・ベーシスト奥田治義のblog

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昨日の4月30日をもって、一応だけど僕の楽器の調整をしてくれていた、広島市並木通りの楽器屋さん「marmalade vacation」がお店を閉めた。

店主の永井くんはNYのFodera工房で一流アーティストの楽器調整をしたり製品を作ったり、一流アーティストのツアーにテクニックとして参加して来た経歴を持つ、一流のリペアマンだ。

腕は言うまでもなく、特筆すべき素晴らしい「耳」、普通の人には聴こえない音を聴き分けられる「耳」を持った人だ。

ちょっと気難しいところや思い込みの強いところもあって、彼とは夜通し激論を交わしたりもした。

だけど、彼の本当に素晴らしいところは、彼が愛に溢れた人、というところだ。

そりゃあ商売だから売らなきゃいけないし、利益も出さなきゃやってられない。

長い年月の間にはいろいろなこともあっただろう。

でも、こっちが愛を持って接する限り、彼が裏切ったことはない。

実はこの件については、僕は心底怒っている。
本当に怒りを感じているんだ。

日本人の特に広島の楽器ユーザーは細かい所ばかり、例えば木目がどうしたとか、回路がどうしたとかばかりで、肝心の音楽がどうでもいい奴が多くて、自分の音楽に向き合わない。

そのくせ、そんなどうでもいいことを、まるで錦の御旗、金科玉条のごとくに振り回して闊歩する。
音楽を語っているかのごとく振舞う。

もううんざりだ!

楽器は自分の音楽を現実のものとする為の道具だし、更に一歩進めると、自分の音楽の可能性を、新たな領域を拡大してくれる大切なものだ。

この一歩進める、というところが重要で、唯の道具になるか、大切な相方になるかの分かれ目だ。

そこを理解することなしに、雑誌や所謂楽器業界が振り撒くどうでもいい情報に振り回されて右往左往するような奴ばかりだ。

広島でギターやベースをやってる奴は、彼が広島のこの業界から去ったことの、彼を失ったことの、事態の深刻さを思い知らなければならないと思う。

あんなに愛いっぱいで、心意気と素晴らしい耳を持った人はもう二度と僕らの前には現れないだろう。

もし、彼のような人がまた現れたら、愛を感じられる人だけが通って欲しい。
耳の違いが分かる人だけが通って欲しい。

普通の耳しか持たなくて、自分の音楽にさえ向き合えない人、心意気や愛が無い人は、そこらへんの楽器屋に行って欲しい。

もうそういう素晴らしい人を二度と失いたくないから。
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(永井くんの手と耳による調整を施された僕のFodera陰陽。)