眠たい目を擦ってカップに入ったインスタントのアサリの味噌汁を飲みながら、コンビニで買った弁当を食べる。 

 

昨晩1人で家に帰った親父が8時過ぎにやってきた。

「昨晩は弔電書き直していたら寝れなかったよ。自分で読み直して号泣してしまった。」 

とりあえずオヤジにも味噌汁とお茶を渡す。 

 

告別式は10時からの予定だが、9時頃になると親族が集まりだしてきた。

 

「告別式に来るのは親族と親しい友人ぐらいなので、今日はそんなに多く無いよ」と聞かされていたのだが、9時半を過ぎた頃には満席になってしまい、今回もエレベーターホールに人があふれ返っていた。 

お通夜に来れなかった方、2日続けて来てくれた方々など、実際100名ぐらいの方が遠路はるばる馬橋まで来てくれたのだ。 

 

9時50分頃に昨晩のお坊さんが来てくれた。

今日は別のお経を唱えてくれるといいんだけども、と有りえ無そうな願いを思い浮かべる。 

 

司会の人が告別式を始めるというアナウンスをする。 

 

 


出た! 


やっぱり昨日と同じ怪しげなお経だ・・・ 

 


初七日法要も行ったが、お坊さんのお経は30分ほどで終わった。

アニキの亡骸が焼き場に行く時間だ。 

 

今日初めて来てくれた方々へのご挨拶も出来ないまま葬儀場の担当者に指示され、両親と喪主の奥さん以外は1階のホールへ誘導されエレベーターで降りてくる棺を待つ。 

アニキの会社の方々は今日も8名ぐらい手伝いに来てくれていて、棺を運び出す役も買って出てくれた。 

 

しばらくするとエレベーターが開き、代車に載った棺がホールに出された。



アニキの会社の方々が棺を取り囲む。

俺は棺の一番後ろに手を掛けた。 

 

担当者が「ただいまより出棺になります」というようなことを言い、皆で一斉に棺を持ち上げた。


重たい・・・ 

 

亡骸と一緒にドライアイスが沢山入っているのだろうか、棺がこんなに重たいとは思わなかった。

そのままエントランスに止められた霊柩車に運び入れる。 距離としては5mほど。


焼き場に行く人々がマイクロバスとそれぞれ4台の車に乗り込む。

霊柩車に乗り込んでだ点になって初めて「これでアニキとお別れなんだな」と思った。


「本日、運転手を勤めさせていただくxxxです」と運転手が振り返って挨拶をした。

 

この運転手、髪がボサボサでフケが凄い。 

運転席のヘッドレスト周辺及びドアの内張りに粉が大量に落ちている。 

高級な外車の霊柩車なのに・・・

 

出発の準備が整い、クラクションを長く鳴らしながら霊柩車は葬儀場を出発した。