2009年元旦
アニキは何とか2009年を迎えることが出来た。


2009
15
俺が12時半頃築地の病院へ見舞いに行った時、相変わらずアニキはベッドの角度を頻繁に変えていた。体が痛くて同じ姿勢でいられないのである。
俺はお袋が何時頃病院へ来るのか確認の電話をしに病室を出た。14時頃にオヤジと車で来るとのことであった。 アニキの奥さんはいつも通り13時に来る。 
電話を終え病室へ戻ると「悪りーけど部屋に居てくれないか? 落ち着かないんだよ。」とアニキに言われた。 「一人でいるのが怖い」と漏らしていたことを以前親から聞いていた。 気を抜くと呼吸が止まり死んでしまうという強迫観念に囚われていたようだ。 そんな状態にまでなっているとは知らなかった俺は、それを聞いて胸を締め付けられる思いになった。

しばらくするとアニキが「遅せ~な~」と眉間に皺をよせながら呟いた。
「何が?」と聞き返すと、「オフクロとミサ(奥さん)が来ない。大丈夫かなー ・・・」と物凄く心配そうな顔であった。
実は13時から開始の面会時間をまったく気にしていなかった俺は、病院に12時半に着いていたのだ。


そのことを告げると「なんだ、まだ13時前だったか。」と少し安心した様子であった。