2002年12月
商社勤めでシンガポールの駐在員であるアニキは検査と手術のために一時帰国した。
アニキの左前腕に出来た腫瘍は、手術直前には切り餅ぐらいの大きさになっていた。
御茶ノ水の順天堂大学医学部附属順天堂医院で手術が行われ、腕の筋肉にまとわり付くように出来た腫瘍を筋肉ごと切除した。 俺に心配を掛けないようにと、腫瘍が悪性であったことは教えてくれなかった。
筋肉も切除したが、特に生活に支障をきたしてはいなかったようなので俺は安心していた。
それ以後1年に2回、経過観察と検査のためにアニキは帰国していたが、術後の経過は特に問題は見当たらないと言われていたようだ。 ただ、検査していたのは腕に関してだけであった。